(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
27日の米国株式市場は、FRBが注目するPCE(個人消費支出)デフレーター(除く食品・エネルギー)のコア指数が前月比+0.1%と、市場予想の同+0.2%を下回り、インフレが着実に減速していることが示されました。NYダウは史上最高値を更新しましたが、半導体株が軟調となり、S&P500指数やナスダック総合指数は小幅安で引けました。中国政府がAI関連半導体について、米国製ではなく、自国製の製品購入を中国企業に行うよう圧力を強めているとの報道がなされています。この他、セントルイス連銀のムサレム総裁が、今後のFOMCにおける利下げは漸進的なペースに戻るべきと発言しています。
相場の注目点
27日に行われた自民党総裁選挙の決選投票決定直前にかけて、日経平均株価は大幅高で引けました。石破新総裁誕生が報じられ、30日早朝にかけて為替は1米ドル=146円台から同142円台、大阪証券取引所の日経平均先物は37,400円台へと急落しています。石破氏の法人税増税や金融所得課税強化についての過去の発言や、日銀の独立性を認めていることで、今後の利上げを容認するとの見方による市場の反応とみられます。一方、石破新総裁は、これらの問題について、週末に市場の懸念に幾分配慮したような発言もみられました。30日の取引開始後に市場がどう反応するかが注目されます。
本日のイベント
本日は、自民党が新執行部を発足させます。既に主要な自民党や閣僚の人事は概ね報道されています。次に注目されるのは、具体的な経済政策の方針と解散総選挙の日程になるでしょう。日本の8月鉱工業生産が発表されます。製造業の生産が復調しているかどうかが注目されます。
(野村證券 投資情報部 小髙 貴久)
(注)データは日本時間2024年9月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。