※画像はイメージです。
※2024年10月3日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
調整一巡後、心理的フシの4万円へ向けた動きとなるか
今週の日経平均株価は、自民党総裁選結果を受け大幅下落で始まりましたが、その後円高一服を背景に下げ幅を縮めました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月9日安値(35,247円)から27日高値(39,829円)にかけて大幅に上昇しましたが、自民党総裁選の結果を受けて9月30日(9月末)に前営業日比で1,900円を超える大幅安となり、その後も振れ幅の大きい展開が続いています。
この先、再度調整となった場合は、75日線(10月3日:38,258円)や200日線(同:37,834円)、25日線(同:37,569円)などを下値サポートとして下げ止まりとなるか注目されます。
一方で、9月27日高値にかけての上昇で、主要な移動平均線など複数の上値抵抗線を超えました。さらに、8月5日安値に対する二番底が完成する等、チャート好転のシグナルが複数みられており、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面となっています。調整一巡後、まずは9月27日高値(39,829円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けた動きとなると考えられます。
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(注1)直近値は2024年10月3日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
8月に急落した日経平均株価は、10月に入ってからも引き続き振れ幅の大きい状況が続いています。ただし、ブラックマンデー時は底入れから約1ヶ月半(36営業日)で二番底をつけ、その後本格的な上昇相場に移行しました(図2)。今回は8月5日の安値からすでに約2ヶ月(40営業日)が経過しています。今後、年末にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、本格的な戻し相場に入ることが期待されます。
(注1)直近値は2024年10月3日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
日経平均、2つのアノマリーで年末・年始への相場を占う
日経平均株価は、自民党総裁選や中東情勢緊迫化を受けて、大幅安となる等、引き続き振れ幅の大きい状況が続いています。ただ、年末・年始にかけて、以下2つのアノマリー(明確な理論的根拠がない相場の経験則や事象)が、日本株の追い風になると考えられます。
まず1つめは、衆議院選挙のアノマリーです。10月1日に石破首相は、記者会見で10月9日に衆院を解散し、27日に投開票を実施すると表明しました。過去の衆議院選挙と株式相場動向(図3)をみると、解散日から投票日までの期間に株価が上昇する傾向が見られます(図3:A→B)。戦後東証再開以降、25回の衆議院選挙のうち20回で日経平均株価は上昇しており、1990年以降に限れば11回中10回で上昇しています。新政権の政策や経済対策等への期待が背景として考えられます。自民党は現在政権公約を準備しているとみられますが、総裁選直後の市場の反応を踏まえた政策転換の有無を含めて、石破新政権の具体的な経済政策に注目が集まります。
(注1)投票日が休祭日の場合は前営業日の株価を基準日に採用。(注2)○印・・・衆参同日選挙。△印・・・投票日が5日違いで行われた衆参同時選挙。
(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成
2つ目のアノマリーは、月別騰落率のアノマリーです(図4)。日経平均株価の月別騰落率をみると、9月が最もパフォーマンスが悪く年末年始にかけて改善していく傾向がみられます。特に11月~1月にかけてのパフォーマンスが良い傾向がみられます。
月別ランキングでは上昇率が高い順に、11月が3位、12月が4位、1月が1位となっています。
これら2つのアノマリーを考慮すれば、8月の大底から既に2ヶ月が経過し日柄調整が進展している日本株は、年末年始にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、本格的な戻し相場に移行すると考えられます。
(注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値 (注2) 順位は平均月別騰落率の上位順 (注3)矢印は最もパフォーマンスが悪い9月から翌年1月にかけての局面 (注4)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。
(出所)日本経済新聞社、S&Pダウ・ジョーンズ株式会社より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)