※画像はイメージです。

米国:2024年7-9月期決算プレビュー

7-9月期は前年同期比+4.4%予想

10月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2024年7-9月期の決算発表が本格化します。2024年9月27日時点の調査会社LSEG集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+4.4%と推定されています。2024年4-6月期の同+11.3%と比べ、増益率が鈍化する見込みとなっています。

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(注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年7-9月期には、2024年6-8月期決算、2024年8-10月期決算企業も含む。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

(注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年7-9月期には、2024年6-8月期決算、2024年8-10月期決算企業も含む。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

セクター別では、原油価格下落の影響が予想されるエネルギーで、純利益は二桁減益が予想されています。素材セクターも減益予想となっている他、景気敏感業種の多くで増益率の鈍化が目立ちます。 

一方で、情報技術やコミュニケーション・サービス(広告を主力とするインターネット企業等)等では、二桁増益が予想されています。

(注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2024年4-6月期には、2024年3-5月期決算、2024年5-7月期決算企業も含む。
(注2)直近4四半期平均とは2023年4-6月期~2024年1-3月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。
(注3)LSEGによる2024年9月27日時点(売上高について499社、純利益について499社)の集計。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

アナリスト達は慎重に見直している模様

リビジョンインデックスの動向をみると、2024年9月25日時点では、FY1(予想1期目)は1.04、FY2は0.87となっています。2024年7-9月期の決算発表を前に、アナリスト達が業績予想を慎重に見直しているとみられます。

(注)S&P 500 指数構成企業のリビジョンインデックス。リビジョンインデックスは直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算。指数が1を上回ると上方修正優位、1を下回ると下方修正優位と判断される。直近値は2024年9月25日時点。FY1は予想1期目(12月決算企業の場合、2024年12月期)、FY2は予想2期目(12月決算企業の場合、2025年12月期)。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

決算発表時の注目点

次に、年度ベースでのEPSについてみると、前回の四半期である2024年4-6月期決算の発表が本格化する直前の7月5日時点の集計と比べ、各年度とも下方修正となっています。この点からも、足元で企業業績に対して、慎重な見方が増えていることが窺えます。

ただし、下方修正されているとはいえ、2024年以降も、増益基調が続く予想となっています。米国には情報技術分野で世界をリードしている企業が多数あることから、AIの普及などに伴い、情報技術関連企業主導で、企業業績が拡大していくことへの期待が織り込まれていると推察されます。

(注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場予想平均。[   ]内の数値は、2024年7月5日時点のLSEG集計による市場予想平均。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

今後、2024年7-9月期決算の発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、会社業績見通しや経営陣のコメントなどから、今後も業績拡大基調が続くか、見極めていきたいと考えます。現時点では、2024年10-12月期については前年同期比+11.7%と予想されていますが、この予想が維持されるか、注意してみていきたいと考えます。

(野村證券投資情報部 村山 誠)

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