(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

7日の米国株式市場で、主要3指数は反落しました。4日に発表された強い米9月雇用統計が物価の面で意識され、また、中東情勢の緊張継続により原油価格が上昇したことで、インフレ率が高止まりするとの見方が広がりました。米10年国債が約2ヶ月ぶりに4%台に上昇したことや、11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ確率が若干ながら低下するなど金融政策がよりタカ派化するとの懸念、10日の9月CPI(消費者物価指数)の発表を控えたリスク回避的な動きなどが株式市場にとって重石となったと考えられます。S&P500の11業種では、エネルギーが上昇した一方、その他の10業種は下落しました。

相場の注目点

米国では今週から2024年7-9月期の決算発表が本格化します。業績成長が株価の上昇を主導する、いわゆる業績相場が継続できるかが注目されます。大手企業では、8日に飲料・スナック大手のペプシコ、10日にデルタ航空、11日に金融のJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ブラックロックなどの発表が予定されています。また、10月後半以降には、米テクノロジー大手企業の決算発表が控えています。

JPモルガン・チェースの決算では、①純金利収益、②カードローンの貸倒率、などの実績と見通しが注目されます。米国では雇用を中心とした景気の減速などを受け、9月のFOMCで0.5%ポイントの利下げが行われました。金利低下局面でも金融機関が高水準の純金利収益を確保できるか、また、物価が高止まりし、雇用が悪化する環境下で借り入れによる消費が継続できるか、についての示唆が注目されます。

(野村證券 投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2024年10月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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