※画像はイメージです。

※2024年10月10日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

年末に向けて史上最高値を目指す展開へ

今週の日経平均株価は、米株高や円安進行を好感し、堅調に推移しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月9日安値(35,247円)から27日高値(39,829円)にかけて大幅に上昇しましたが、自民党総裁選の結果を受けて9月30日(9月末)に前営業日比で1,900円を超える大幅安となりました。

ただ、その後は徐々に下値を切り上げ再び9月27日高値に接近しています。 9月27日高値にかけての上昇で、複数の上値抵抗線を超え、さらに、8月5日安値に対する二番底が完成する等、チャート好転のシグナルが複数みられており、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面となっています。

この先、9月27日高値(39,829円)や、心理的フシの4万円の水準を突破すれば、年末に向けて7月11日に付けた史上最高値(取引時間中ベース:42,426円)を目指す展開が期待できるでしょう。

一方で、この先再度調整となった場合は、75日線(10月10日:38,301円)や200日線(同:37,991円)、25日線(同:37,681円)などを下値サポートとして下げ止まりとなるか注目されます。

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(注1)直近値は2024年10月10日。(注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

8月に急落した日経平均株価は、9月高値形成後も一時大幅安となる等、振れ幅の大きい動きがみられました。ただし、ブラックマンデー時は底入れから約1ヶ月半(36営業日)で二番底をつけ、その後本格的な上昇相場に移行しました(図2)。

今回は8月5日の安値から既に約2ヶ月(45営業日)が経過しています。今後、年末にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、本格的な戻し相場に入ることが期待されます。

(注1)直近値は2024年10月10日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

ドル円相場、立ちはだかる150円台前半の壁

ドル円相場は米景気に対する過度な懸念が後退し、9月中旬から円安・ドル高が進展しています。チャート上分析の観点でみると、ドルは対円で9月下旬に、これまで上値抵抗となってきた25日移動平均線(10月9日:144.06円)を超えており、7月高値(161.94円)から2ヶ月を超えて続いてきた下落トレンドが終了したと考えられます(図3)。

しかしながら、今後は高い壁が待ち構えています。特に150円台前半には、過去の主要な高値や、各種移動平均線、そして7月以降の下落幅の半値戻し(151.14円)等、多くの節目が存在し、上値を抑えられやすい状況にあります。

(注1)直近値は2024年10月9日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

また、長期的な月足チャートを見ると、これまで7-9年ごとにつけてきたサイクル高値を、今年7月につけている可能性があるため、注意が必要です(図4/図5)。

前回のサイクル高値(2015年6月)以降の下落幅と日柄を参考にすると、2025年の中頃に135円という数値が浮かび上がってきます。これは、今後2025年にかけて上値を抑えられやすい可能性が高いことを示唆しています。

このような、チャート上の立ち位置を考慮すれば、150円台前半の水準では上値が抑えられやすく、当面140-150円のレンジ相場となる可能性が高いと考えられます。

 一方で、今後の米国大統領選挙を控え、トランプ氏の積極的な財政出動に注目が集まると、ドル高に向かう可能性も考えられます。仮に150円台前半の高い壁を突破する動きが見られた場合、円安・ドル高圧力が非常に強いことを示す証拠となるでしょう。10月に入り一時149円台にのせたドル円相場から今後も目が離せません。

(注1)直近値は2024年10月9日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端含み。
(出所)日本銀行、日本相互証券、FRB、Wall Street Journalより野村證券投資情報部作成

(注1)直近値は2024年10月9日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。(注3)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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