来週の注目点:日米の選挙戦、米中の経済指標、ユーロ圏の金融政策

足元で米国株は景気の楽観論と利下げ継続観測、日本株は円安ドル高の進展と米国株の上昇が相場を下支えしています。日米株は底堅く推移していますが、日米共に選挙や金融政策の不透明感が残り、ボラティリティー(変動性)の高い状態が続いています。

米国では、11月5日(火)に米大統領・議会選挙、6日(水)~7日(木)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。それまでの間、大統領・議会選挙の行方と、今後の利下げ幅に関する市場の思惑に揺れ動く相場展開が予想されます。経済指標では、10月15日(火)に10月NY連銀製造業景気指数、17日(木)に9月小売売上高、9月鉱工業生産、18日(金)に9月住宅着工・建設許可件数などが発表されます。

日本では、15日(火)に衆議院議員総選挙が公示され、投開票は27日(日)に行われます。成長戦略、持続的な賃上げ、物価高対策を含む経済政策や、政治改革などが論点です。経済指標は、18日(金)に9月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。電気代・ガス代抑制策の一時再開により、コアCPIは減速が見込まれます。エネルギーを除けば、CPIは概ね横ばいに推移すると野村證券では予想します。その場合、現行の日銀の金融政策に中立的な内容と解釈されると見ています。

ユーロ圏では、15日(火)にドイツの10月ZEW景況感調査、17日(木)にECB(欧州中央銀行)の金融政策理事会の結果発表が行われます。景況感が悪化し、インフレ率が鈍化する中、ECBは政策金利(中銀預金金利)を今会合から来年9月会合まで0.25%ポイントずつ7回利下げを実施すると野村證券では予想します。ユーロは対ドルで軟調に推移しやすいと見ています。

予想外に大規模な景気刺激策が打ち出された中国では、13日(日)に9月物価統計、18日(金)に7-9月期実質GDP、9月小売売上高、鉱工業生産、1-9月固定資産投資、不動産投資などの主要経済統計が発表されます。これまでの不動産市場の支援策や金融緩和などの政策効果が注目されます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

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