※画像はイメージです。
日経平均株価がブラックマンデー時を上回る史上最大の下落幅(4,451円安)に見舞われた2024年8月5日から約2ヶ月が経過しました。日経平均株価はその後不安定な値動きを続けながらも、9月27日には3万9,800円台まで大きく値を戻すなど、順調な回復ぶりを見せています。こうした中、国内政治は波乱の自民党総裁選を経て、石破首相が早期の解散・総選挙に踏み切るなど、風雲急を告げています。10月27日の総選挙結果に加え、11月5日の米国大統領選挙の結果も含めて予断を許さない状況です。
一方、チャート面から見ると、日経平均株価はすでに最高値更新を視野に入れた本格的な上昇局面に移行しつつあると考えられます。歴史的急落となった8月5日安値形成後の日経平均株価の値動きを追ってみましょう。翌6日に一転して史上最大の上昇幅(3,217円高)となる急反発で力強い切り返しを見せると、その後も戻り歩調が続き、翌週には52週移動平均線の早期奪回に成功します。9月2日には終値で3万8,700円まで値を戻しましたが、下向きの26週移動平均線に上値を抑えられる形で自律反発は一巡し、9月11日には3万5,600円台まで反落しました。しかし、奪回した52週移動平均線を下支えとして再び反発に転じると、今度は26週移動平均線の上抜けに成功し、9月2日の戻り高値も明確に上回ってきました。その後、総裁選の結果を受けて調整を入れましたが、米国株高や為替円安などを追い風に、下値を切り下げる気配は見せていません。教科書的には、8月5日安値を一番底(大底)、9月11日安値を二番底とした典型的なチャートパターンが完成したことで、下値固めの期間は終了したと判断されます。
ブラックマンデー時は、大底を打ってから約1ヶ月半ほど不安定な値動きが続きましたが、二番底をつけた後は株価上昇が軌道に乗り、急落前の株価水準を約半年で回復しました。今回の急落局面では、底値形成から1ヶ月強で二番底をつけており、その後の株価の戻りペースもブラックマンデー当時を上回っています。この先、9月27日高値(39,829円)や4万円の大台奪回を果たせば株価上昇に弾みがつき、年末に向けて7月11日に付けた史上最高値4万2,224円(終値ベース)を目指す展開が期待できるでしょう。
テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。
※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。
(注1)直近値は2024年10月10日。
(注2)日柄は両端を含む。
(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成