(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

2024年7-9月期の決算発表が本格化する中、昨日の米国株はエネルギー、半導体関連中心に急落しました。オランダの半導体製造装置メーカーであるASMLホールディングス(ASML)が1日前倒して発表した7-9月期決算で受注額がアナリスト予想平均の半分程度にとどまったことに加え、バイデン政権が人工知能(AI)向け先端半導体について国ごとに販売規制を検討しているとの報道が嫌気されました。また、イスラエルがイランの石油生産設備を標的にしていない可能性があるとの一部報道を受けて原油が大幅に下落し、エネルギー関連株も下げました。原油安を背景に米国債利回りは長期債を中心に低下しました。ドルにはリスク回避的な需要が見られたものの、円が主要通貨に対して全面高の展開となり、対ドルでは一時148円台まで上昇、足元では149円台前半で推移しています。

相場の注目点

海外市場では2024年7-9月期決算発表が本格化、中東情勢への懸念が燻る中で、米国の大統領選挙も11月5日の投開票日に向けいよいよ大詰めとなるなど、市場はボラティリティーの高まりやすい状況が続いています。9月の雇用統計を受けて米国景気に対する減速懸念は後退したことから、米国では長期金利の上昇と株高が併存する流れが続き、長短金利の逆転も解消されています。一方で、半導体需要の持続力と大手ハイテク企業以外への業績改善の裾野拡大に対する不透明感が重石となっており、決算発表を睨みながらの相場展開が当面の間、続きそうです。

本日のイベント

米国では金融大手の決算発表が続いており、本日はモルガンスタンレー(MS)の発表が予定されています。

(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2024年10月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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