(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

16日の米国株式市場では、主要3指数が揃って反発しました。半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)の決算発表をきっかけに前日に大幅下落した半導体株の多くが反発し、好決算を手がかりに上昇した金融株、小型株が相場を牽引しました。朝方発表されたモルガン・スタンレー(MS)や地銀のUSバンコープ(USB)の2024年7~9月期決算では、利益が市場予想を上回り、金融株全般が上昇しました。他方、原油価格が続落し、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げへの思惑が強まる中、米長期金利が小幅に低下し、1ドル=149円台後半まで円安ドル高が進行しました。

相場の注目点

本日の日本株は、米国株の上昇や、半導体株の多くが反発、円安ドル高が支援材料になるとみられます。円相場は、米国の利下げへの過大な期待が後退する中で、目先は1ドル=150円をうかがう展開になるとみています。しかし、ドル円は短期的な高止まりを経て、米FRB(連邦準備理事会)の利下げ観測や日銀への追加利上げ期待を受けて年末には145円に向かうと野村證券では予想します。通貨のボラティリティー(変動性)を高める要因として、日米の選挙には注目です。米国の大統領選挙では、引き続きハリス候補がトランプ候補をリードしていますが、一部の接戦州ではトランプ候補の支持率がハリス候補を再逆転しており、トランプ候補が世論調査以上の強さを見せる可能性が意識されています。トランプ候補が再選した場合は、一時的にドル高圧力が高まる可能性があります。本日は、ユーロ圏でECBの金融政策理事会の結果発表が行われます。景況感が悪化し、インフレ率が鈍化する中、ECBは連続利下げに向かうと予想します。海外中銀の利下げ加速は中長期的な円相場の支援材料になるとみられます。 

(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年10月17日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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