※画像はイメージです。

※2024年10月17日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

日経平均株価は、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面

今週の日経平均株価は、約3ヶ月ぶりに一時4万円台を回復する場面がありましたが、週後半は、半導体関連株を中心に軟調に推移しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月27日にかけての上昇で、複数の上値抵抗線を超え、さらに8月5日安値に対する二番底が完成し、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面となっています。

その後、一時大幅安となりましたが、徐々に下値を切り上げ、10月15日には9月27日高値(39,829円)を上回り、一時4万円台を回復しました。

17日に再び39,000円割れとなっていますが、調整一巡後に心理的フシの4万円の水準を終値で明確に突破すれば、年末に向けて7月11日に付けた史上最高値(取引時間中ベース:42,426円)を目指す展開が期待できます。

一方で、さらなる調整となった場合は、75日線(10月17日:38,309円)や25日線(同:38,133円)、200日線(同:38,115円)などを下値サポートとして下げ止まりとなるか注目されます。

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(注1)直近値は2024年10月17日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

8月に急落した日経平均株価は、9月・10月も一時大幅安となる等、振れ幅の大きい動きがみられました。ただし、今回は8月5日の安値から既に2ヶ月を超える日柄が経過しています(図2)。

(注1)直近値は2024年10月17日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

また、月別の指数騰落率を見ると、11月~翌年1月にかけてのパフォーマンスが特に良い傾向がみられます(図3)。これらの日柄や季節性を考慮すれば、今後、年末にかけて本格的な戻し相場に入ることが期待されます。

(注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値。(注2) 順位は平均月別騰落率の上位順。 (注3)矢印は最もパフォーマンスが悪い9月から翌年1月にかけての局面。(注4)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。
(出所)日本経済新聞社、S&Pダウ・ジョーンズ株式会社より野村證券投資情報部作成

日本10年国債利回り、中長期的な上昇トレンドが継続中

日本の長期金利は上昇傾向にあります。長期金利は「経済の体温計」ともいわれています。金利上昇自体は借入金利に影響を与え、経済活動にとってマイナス要因となることがありますが、経済活動の好調さを反映する形での上昇であれば、健全なものと捉えられます。

10年国債利回りは、日銀の金融政策正常化の進展を受けて、「経済の体温計」としての役割を取り戻しつつあります。チャートを通じて、今後の動向を考察していきましょう。

月足チャート(図4)を見ると、2016年のボトム(-0.300%)と2019年のボトム(-0.290%)によるダブルボトムが形成され、12ヶ月移動平均線を下支えとした本格的な上昇トレンドに入っています。

今年3月の日銀によるマイナス金利解除を経て、5月に心理的なフシとなる1%水準を上抜け、7月には一時1.100%に達しました。その後は利回り低下に転じましたが、これまでと同様に12ヶ月線(10月15日:0.849%)前後の水準から反発が見られており、中長期的な上昇トレンドは継続していると考えられます。

この先、今年7月ピーク(1.100%)や、2006年5月ピークから2016年7月ボトムまでの利回り低下幅の2/3戻し(1.226%)水準を上回った場合、チャート上の次の大きなメドは、2006~2008年につけた複数のピークや心理的フシがある1.9~2.0%水準までみられません。

これまでの上昇ペース(約5年で1.390%ポイント)を基にすれば、2~3年かけて、2%に迫る水準となる可能性も考えられます。

(注1)直近値は2024年10月15日。チャートは新発10年国債利回りの単利・日次終値を基に月足に変換している。新発10年国債利回りは日本相互証券公表の引値で、毎月、新発国債の入札日に銘柄の入れ替えを行っている。(注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本相互証券より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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