※画像はイメージです。
※2024年10月24日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
調整一巡後は、年末にかけて戻し相場となるか
今週の日経平均株価は、衆議院議員総選挙を前に、政治リスクが嫌気され、軟調な展開となりました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、10月15日に一時4万円台を回復しましたが、その後は調整となり、22-24日に25日移動平均線(10月24日:38,581円)や200日線(同:38,243円)、75日線(同:38,200円)といった主要な移動平均線が集中する水準を割り込みました。
この先、さらなる調整となり、10月2日安値(37,651円)を下回った場合は、9月19-20日のマド埋め水準(37,394円)や、9月18-19日のマド埋め水準(36,675円)が次の下値メドとして挙げられます。
一方で、10月高値までの上昇で、8月5日安値に対する二番底が完成し、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面となっています。今後早期に主要な移動平均線を奪回すれば、まずは、心理的フシの4万円や、10月15日高値(40,257円)水準回復を目指す動きとなると考えられます。
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(注1)直近値は2024年10月24日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
8月に急落した日経平均株価は、9月・10月も一時大幅安となる等、振れ幅の大きい動きがみられます。ただ、8月5日の安値からこれまでに2ヶ月を超えており、日柄調整が進展しています(図2)。
今後徐々に相場は落ち着きを取り戻すと見られ、目先の調整一巡後は、年末にかけて本格的な戻し相場に入ることが期待されます。
(注1)直近値は2024年10月24日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(中3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
米国株、選挙前の警戒感も、長期トレンドには上昇余地
NYダウは10月中旬にかけて史上最高値を更新し、43,000ドル台に乗せましたが、大統領選挙を控えていることから高値に対する警戒感も見受けられ、その後は押しを入れました。
しかし、チャート面からみれば、2022年9月から続いている長期的な上昇トレンド自体には、今後も上昇余地があると考えられます。月足チャートで過去の長期上昇局面を分析したところ、2009年の安値形成後には5回の上昇局面がありました(図3中①~⑤)。
コロナショックでの高値形成を除くと、株価は安値から1.7倍から2.0倍に上昇しています。仮に上昇倍率1.7倍を2022年9月の安値に当てはめると、48,832ドルとなり、引き続き上昇の余地があると考えられます。
(注1)直近値は2024年10月23日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成
今年7月につけた史上最高値に迫る動きとなっているナスダック総合指数についても同様の分析を行うと、株価は安値から1.9倍から2.3倍に上昇しています(図4中:①~⑤、④を除く)。
しかし、現在のところはまだ1.8倍の上昇にとどまっており、こちらにも上昇余地があると考えられます。
(注1)直近値は2024年10月23日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成
さらに、業績面でみれば、NYダウやナスダック総合指数のEPS(1株当たり利益)は、市場予想ベースで2024年12月期、2025年12月期ともに大幅な増益が続くと見込まれています(図5)。これらも併せて考慮すれば、今後も米主要株価指数の史上最高値更新が続く可能性が高いと見ています。
(注1)EPSの予想は2024年10月14日時点。2024.12期以降は予想。NYダウとナスダック総合指数はファクトセット、S&P500指数はLSEGが集計した市場コンセンサス。図中の数字は、各EPSの前期比増減率。
(出所)LSEG、ファクトセットより野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)