来週の注目点:日本の総選挙と金融政策、米国の経済指標

今週の注目点は日本の総選挙と金融政策です。27日(日)には衆議院議員選挙の投開票が行われます。石破政権は、岸田前政権の運営方針を引き継ぐ見込みですが、自公過半数が微妙との世論調査が相次いでおり、石破内閣が景気重視の姿勢を強めて支持率の回復に努める可能性があります。このように与党の議席数によって石破内閣の政策方針が変化するリスクがあり、注目を集めます。

また、31日(木)には日銀金融政策決定会合の結果発表と植田総裁の記者会見が行われます。野村證券では、今会合では政策金利や物価見通しを据え置き、12月会合で利上げを実施すると予想します。他方、先行きの金融政策運営に関わる物価見通しのリスク評価が変更される可能性があり、今会合の焦点の一つと見られます。

米国経済は堅調に推移しており、FRB​がより長くタカ派的(物価の安定を重視して金融引き締めに前向き)な姿勢を維持せざるを得なくなる経済の「ノーランディング」シナリオが台頭しています。29日(火)に10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日(水)に7-9月期実質GDP速報値、10月ADP全米雇用レポート、31日(木)に9月個人消費支出・所得統計、10月シカゴ購買部協会PMI、11月1日(金)に10月雇用統計、10月ISM製造業景気指数と重要統計の発表が相次ぎます。今後の金融政策を見通す上で注目されます。

ユーロ圏では、30日(水)に7-9月期実質GDP速報値、31日(木)に10月消費者物価指数(HICP)が発表されます。ECBは次回の12月会合から2025年6月会合まで0.25%ポイントずつの連続利下げを行うと野村證券では予想します。ただし、想定を上回るユーロ圏景気の弱さやインフレ率の減速が確認された場合には、市場の大幅利下げ観測が強まる可能性もあります。

中国では、31日(木)に10月政府版PMI、11月1日(金)に10月財新版・製造業PMIが発表されます。これまでの金融緩和や不動産市場の支援策などの政策効果が注目されます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年10月25日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
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