来週の注目点:米国の大統領・議会選挙と日本の政局
今週、米国では5日(火)に大統領・議会選挙、6日(水)~7日(木)にFOMCと重要日程が並んでいます。全国支持率ではハリス副大統領がトランプ前大統領を僅かながらリードする展開が続いていますが、選挙のたびに勝者が変わり易いスイングステートと呼ばれる激戦7州ではトランプ氏が巻き返しています。市場では大統領から上院・下院まで共和党が勝利する「レッドスウィープ」が意識され、株高、長期金利上昇、ドル高につながっている模様です。選挙戦は依然予断を許さない状況にあり、今回も大統領選の結果が確定するまでに時間がかかる可能性がありますが、過去、株式市場では不透明感の高いイベント通過が好感され、株高につながる面もありました。
今回のFOMCでは0.25%ポイント(pt)の利下げが予想されています。24年9月FOMC直後の市場では24年中に0.75%ptの利下げを織り込む動きが見受けられましたが、足元では米国景気の堅調推移を背景に0.5%ptの利下げを完全には織り込んでいません。FRB内で景気の堅調推移やインフレ再燃への警戒感が見受けられるようならば、25年中に利下げは打ち止めとの見方が浮上する可能性もありそうです。
日本では総選挙の結果を受けた政権の枠組みの行方が注目されます。10月27日に行われた総選挙の結果、自公連立政権は過半数を割り込み少数与党となりました。このため法案の成立に向けて国民民主党や日本維新の会など、少数政党との協力関係を模索することになります。景気の点からは、これらの少数政党の政策がどの程度反映されるのかが注目されます。市場への影響という面では、財務相など経済関係閣僚の人選と、日銀との関係が注視されます。
その他、今週発表の注目度の高い統計としては、5日(火)の米国の10月ISMサービス業景気指数、中国の10月財新版サービス業PMI、6日(水)のドイツの9月製造業受注、7日(木)のドイツの9月鉱工業生産、中国の10月貿易統計、8日(金)の米国の11月ミシガン大学消費者マインド速報値などが挙げられます。
(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)
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