米大統領・議会選挙はトランプ氏が再選、上院も共和党が過半数を奪還
2024年11月5日、米国では大統領・議会選挙の投開票が行われ、大統領選挙ではトランプ前大統領の再選が確定的となりました。上院でも共和党が過半数を奪還、下院も共和党が優勢の模様です。この結果を受けて11月6日の米国株式市場ではNYダウが前日比1,500ドル超の上昇をするなど、主要3指数は大幅高となりました。米国債市場では長期金利を中心に利回り曲線全域にわたって金利が上昇し、10年国債利回りは4.43%で引けています。為替市場でもドルは主要通貨に対して全面高となり、開票前に1ドル=151円台半ばで推移していたドル円相場は、足元では154円台半ばまで上昇しています。
今回も拡張財政、対中関税引き上げ、移民規制強化などインフレ的な政策が並ぶ
金融市場では「トランプトレード」の様相を呈しています。その背景にあるトランプ氏が掲げた主要政策を確認すると、法人減税や個人所得減税の延長などの拡張財政政策、関税引き上げを中心とした通商政策、大規模な不法移民の強制送還などの移民規制など、前回のトランプ政権時と共通した政策が並んでいます。これらの政策はいずれも米国内のインフレ圧力を高めることが予想されることから、米国では金利上昇とドル高につながったと見られます。株式市場にとっては、プラスマイナス両面がありますが、減税や規制緩和への期待が株高につながったと見られます。ただし、減税などの財政政策は議会での承認が必要な一方で、輸入関税の引き上げや移民規制強化は大統領令で実施可能だとみられることから、2025年の新政権発足後は、株価に対してネガティブな影響が先行して顕在化する可能性もあります。
新旧トランプ政権下での主要政策の比較
(注)全てを網羅している訳ではない。
(出所)各種報道より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)