(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
14日の米国株式市場でNYダウは反落、ナスダック総合は3日続落となりました。11月5日の米大統領選挙以降の大幅上昇を受けて、主力株の一部に利益確定の動きがみられました。また、米国の10月コア生産者物価(PPI)は前月比+0.3%と市場予想(同+0.2%)を上振れ、週間の新規失業保険申請件数(11月9日まで)も21.7万件と低位安定が続くなど、この日発表された経済指標はいずれもFRBの利下げペース減速を正当化する内容となりました。FRBによる利下げ路線自体が崩れたわけではないものの、パウエルFRB議長が午後の講演で、利下げに慎重な見方を示したことも株価の重石となりました。
相場の注目点
米大統領選でトランプ氏が勝利し、大統領府と議会上下院を共和党が制する「トリプルレッド」がほぼ確実になったことを踏まえ、市場では米国のインフレ再上昇リスクが意識されています。14日の講演でパウエルFRB議長は「データで利下げ減速が可能になるようなら、正しい行動だろう」と、利下げペース減速を考慮している姿勢を改めて示し、2024年12月FOMCでの利下げ実施について、市場の織り込みは再び6割前後まで低下しています。複数のFRB高官の発言も、全体的に利下げ姿勢は維持しつつも、そのペースについては慎重さを増している印象が見受けられ、当面は12月利下げスキップの可能性も意識した展開が予想されます。
トランプ氏による政府高官の人選が引き続き注目されるほか、本日は米国の10月小売売上高や10月鉱工業生産が発表されます。また、トランプ氏勝利の影響を考える上では、本日の11月NY連銀製造業景況感指数を皮切りに来週複数予定される11月分の各種センチメント指標への関心も高くなるとみられます。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)
(注)データは日本時間2024年11月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。