※画像はイメージです。

※2024年11月14日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

足元ではトランプ政権の通商政策に対する警戒感が重石に

今週の日経平均株価は、米大統領選挙後の株高の反動に加え、トランプ次期政権の人事に関する報道が相次ぎ、通商政策に対する警戒感が強まり、軟調な展開となりました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、米大統領選挙後に大幅上昇し、11月7日には一時39,884円まで上昇しました。

ただ、その後は4万円を目前にして足踏みが続き上値の重さが意識される中で、トランプ政権の通商政策に対する警戒感の高まりもあり、13日に25日移動平均線(11月14日:38,948円)を割り込みました。 この先、200日線(同:38,515円)を下回る場合は、11月1日安値(37,946円)や75日線(同:37,900円)、10月24日安値(37,712円)の水準が下値のメドとして挙げられます。

一方、8月安値(31,156円)以降の上昇の過程で、底入れのパターンであるダブルボトムが完成し、9月下旬以降は戻り高値圏でのレンジ相場(3万7千円台半ば~4万円前後)となっています。 レンジ相場入りとなってから、既に1ヶ月半が経過し日柄調整が進展しており、目先の調整一巡後に反発となった場合は、11月7日高値(39,884円)や10月15日高値(40,257円)等によって形成されるレンジ上限の4万円前後の水準を超えて、本格的な上昇相場再開となることが期待されます。

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(注1)直近値は2024年11月14日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

米大統領選挙後は円安・ドル高に、二番天井形成に留意 

米国大統領選挙で共和党のトランプ氏が勝利し、さらに共和党が連邦議会選挙で上院・下院を制した結果、「トリプルレッド」となりました。大統領選挙後、ドル円レートは円安・ドル高方向に進展しています。ここではドル円相場の先行きについて考察します。

ドルは対円で、10月下旬に150-152円の重要な価格帯を上回り、一時155円台に上昇しました(図2)。今後は150円台前半の水準が下値メドとして機能することが期待されることや、この先の主な上値メドである心理的フシ160円や7月3日高値(161.94円)までの距離があることを考慮すると、短期的には円安・ドル高トレンドが継続しやすいと見られます。

(注1)直近値は2024年11月13日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

一方で、長期的な月足チャート(図3)を観察すると、これまで7~9年ごとに天井(円安のピーク)を形成するリズムがみられ、サイクル高値を24年7月高値(161.94円)で付けた可能性があることに注意が必要です。

前回のサイクル高値となった2015年6月高値(125.66円)から24年7月高値まで、すでに約9年(110ヶ月)が経過しています。1970年代以降から続く相場のリズムに従えば、さらなる日柄延長は考えにくい時間帯に入っています。その場合、今回の9月中旬以降の円安ドル高の動きは、24年7月高値(=天井)に次ぐ二番天井の形成に向けた動きと捉えることが妥当となると考えられます。 今回の米国大統領・議会選挙の結果はドル高要因と捉えられますが、チャート面からは、ドル円相場がこの先24年7月高値(161.94円)を更新して円安進行に歯止めが掛からなくなる、という円安加速シナリオの実現性は高くないと考えられます。

(注1)直近値は2024年11月13日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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