(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
15日の米国株式市場では、主要3指数が揃って続落しました。米国株は大統領・議会選挙の結果を受けて上昇基調を辿り、主要3指数は11日に最高値を記録しましたが、その後は冴えない展開が続いています。NYダウ、S&P500は12日以降、4営業日中3営業日で下落、ナスダック総合は4営業日連続で下落しています。パウエルFRB議長が14日の講演で「利下げを急ぐ必要はない」と発言したことを受けて、市場の利下げ観測が後退したことが足元で米国株の重石となっています。ただし、パウエル議長は米国景気の堅調推移を根拠に挙げていることから、市場では選挙結果を受けた「行き過ぎた期待の巻き戻し」との見方もあるようです。ドルは過半のG10通貨に対して下落し、対円では日本時間には156円台半ばで取引されていましたが、米国市場では一時154円近辺まで下落し、154円半ばまで戻して引けました。
相場の注目点
15日もボストン連銀のコリンズ総裁が「いずれ利下げペースを減速させる必要がある」と発言するなど、利下げペース減速に関してはFRB内でもコンセンサスが形成されつつある様子がうかがわれます。このため、12月のFOMCでは利下げ実施の有無と同時にFRBの政策金利見通しが注目を集めそうです。問題は、現時点ではトランプ政権の掲げる政策の影響を織り込むことができない点です。トランプ政権の政策は多分にインフレ的な要素を含んでいることから、市場では早晩利下げは打ち止めととの見方も浮上しています。この点を踏まえると、12月FOMCで思い切った見通し変更は示されない可能性が高いと考えられます。日本では与党と国民民主党の政策論議の行方が注目されます。国民民主党に対してどの程度譲歩するのかを含め、今後の政局の行方を占う上で石破首相の政権運営が市場の関心を集めそうです。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)
(注)データは日本時間2024年11月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。