(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
20日の米国市場では今期の決算発表におけるクライマックスとも言えるエヌビディアの決算発表を控える中で、ウクライナ情勢の悪化が懸念され、VIX指数が上昇するなか、米国債利回りが上昇(価格は低下)、為替市場ではドル全面高の展開となりました。アジア時間には154円台半ばで推移していたドル円相場は、海外時間に入り一時156円目前まで上昇しました。「ロシアがウクライナへの大規模攻撃を計画しており在ウクライナ米国大使館が閉鎖された」、「ウクライナがロシア領内の軍事目標に対し、英国製長距離ミサイルを初めて発射した」といった報道が伝わるとS&P500は一時1%近く下落しましたが、その後は下げ幅を埋め、前日終値から横ばいで引けています。
相場の注目点
米国ではタカ派(利下げに慎重)なボウマンFRB理事が利下げに対して慎重な姿勢を示し、ハト派(利下げに積極的)のクック理事も利下げを急がない旨の発言を行いました。これらを受けて、市場では次回12月FOMCでの利下げ確率が一時5割強まで低下しました。また、米国ではトランプ次期政権の人事指名が進んでいます。これまでは外交・安全保障や情報機関関連ポストの指名が先行しており、トランプ氏の政策的優先順位のあり方を浮き彫りにしています。市場では金融政策にも影響を与えかねない財務長官の人選に注目が集まっています。
本日のイベント
本日は植田日銀総裁の講演が予定されています。利上げ継続姿勢を示しながらも次回12月会合での利上げ可能性に関してヒントを与えるような発言は控えると見られます。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)
(注)データは日本時間2024年11月21日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。