(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
21日の米国株式市場で、NYダウは続伸しました。ウクライナが21日、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)でウクライナ領を攻撃したと発表したことで地政学リスクの高まりが意識され、朝方の米国株は不安定な動きとなりました。もっとも、VIX指数は若干低下しており、また米国経済の底堅さを背景に景気敏感株や内需株が上昇するなか、NYダウは上値を試す展開となりました。ナスダック総合は、米10年国債利回りの上昇が重石となりましたが、小幅に反発しています。また、20日引け後に決算を発表した米半導体大手エヌビディア(NVDA)は業績見通しが一部投資家の期待に届かず、また株価が年初来で2.9倍に上昇していたことから利益確定の動きもあり、朝高後に下落するなど荒い値動きとなりましたが、小幅高となりました。
相場の注目点
米国ではFRBの12月利下げ見送りの可能性が燻る中、米経済の底堅さが株価を支えるとの期待が続いています。11月16日までの週間新規失業保険申請件数が前週比6,000件減の21万3,000件と市場予想(22万件)に反して減少し、10月の中古住宅販売件数も前月比3.4%増の396万戸と市場予想(393万戸)を上回りました。一方、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数は-5.5と市場予想(8.0)を下振れており、本日発表予定の11月PMI速報値が注目されます。また、米大統領選挙後の「トランプトレード」には一服感が出ていますが、新政権による減税や規制緩和などの政策が景気を押し上げるとの期待は引き続き株価を支えるとみられます。トランプ氏は2025年1月の新政権発足へ向け人事指名を連日発表していますが、財務長官など経済閣僚の人選が難航しているほか、21日には司法長官に指名されたゲーツ前下院議員が指名辞退の意向を公表しており、政策が着実に実行されるかを占ううえでも要職人事が引き続き注目されます。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)
(注)データは日本時間2024年11月22日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。