来週の注目点:米国の感謝祭商戦の結果と世界の半導体需要の見通し

米国では前週末の感謝祭を経て年末商戦が本格化しています。年末商戦は今後の消費動向を占う上で注目されていますが、全米小売業協会(NRF)が10月15日に発表した売上高予測は前年比+2.5~3.5%増であり、物価高を背景に「消費者は支出に慎重になっている」と指摘されています。NRFは12月2日(月)に感謝祭週末の売上高を発表するとみられ、その結果が注目されます。

3日(火)には世界半導体市場統計(WSTS)が2024年秋季半導体市場予測を発表します。生成AIブームに伴う半導体需要の増加が予想される一方で、パソコンやスマホ向け半導体需要の回復の遅れが懸念されています。

今週は重要統計が相次いで公表されます。米国では2日(月)に11月ISM製造業景気指数、3日(火)に10月雇用動態調査(JOLTS)、4日(水)に11月ISMサービス業景気指数、6日(金)に11月雇用統計が発表されます。11月FOMC議事要旨ではFRB内で利下げに対して慎重な意見が広まっていることが示唆されました。このため、雇用統計が米国景気の堅調推移を示唆する結果になれば、市場の利下げ観測が後退し、金利上昇とドル高につながることが予想されます。

日本では6日(金)発表の10月毎月勤労統計が注目されます。世界的に消費に対するインフレの悪影響が懸念されています。日本でも景気回復の持続力を図る上で、実質賃金の動向が鍵となります。

欧州では5日(木)のドイツの10月製造業受注が市場の注目を集めると見られます。同統計は国内外からの財別の受注が確認できます。特にドイツでは政治が混乱する中で、EV失速と中国景気低迷の影響によって景気下振れが懸念されていることから、消費財や資本財受注動向に注意が必要です。

中国では11月30日(土)~12月4日(水)にかけて各種の11月PMIが発表されます。10月に続き、政府の各種経済対策の恩恵が確認できれば市場の安心感につながりそうです。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

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