(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

4日の米国株式市場で、NYダウは最高値を更新し終値ベースで初めて4万5,000ドル台に乗せました。前日引け後に決算を発表したセールスフォースが大きく上昇し、株式市場をけん引しました。経済指標では、寄り前に発表された11月のISMサービス業景気指数は52.1と、市場予想の55.7および前月の56.0を下回り、3ヶ月ぶりの低水準となりました。同じく寄り前に発表された11月のADP民間雇用者数は前月比+14万6,000人増と、市場予想の同15万人増および、前月の同18万4,000人増(速報値:23万3,000人増)を下回りました。これらを受け、米国長期金利が低下し、株式市場の追い風となりました。

相場の注目点

6日(金)に発表される11月雇用統計が注目されます。11月FOMC議事要旨ではFRB内で利下げに対して慎重な意見が広まっていることが示唆されました。このため、雇用統計が米国景気の堅調な推移を示唆する結果になれば、市場の利下げ観測が後退し、金利上昇とドル高につながることが予想されます。日本では6日(金)発表の10月毎月勤労統計が注目されます。世界的に消費に対するインフレの悪影響が懸念されています。日本でも景気回復の持続力を図る上で、実質賃金の動向が鍵となります。

本日のイベント

取引時間中に、日銀の中村審議委員が講演を行う予定です。同委員は最ハト派と目されており、追加利上げに慎重な姿勢がみられそうです。仮に同委員からも利上げに前向きな発言がみられれば、12月会合に向けた利上げ織り込みがさらに進む可能性があります。

(野村證券 投資情報部 寺田 絢子)

(注)データは日本時間2024年12月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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