来週の注目点:米CPI、日銀短観、ECB金融政策、中国の重要会議

米国では、12月17日(火)-18日(水)にFOMCを控えて、7日(土)からFRBのブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)に入ります。ブラックアウト期間を前にFRB高官からタカ派的(利下げに慎重)な発言と、ハト派的(利下げに積極的)な発言が相次いで見られたことで、市場参加者は12月利下げの有無の見極めが難しくなっています。今週は重要統計の発表が少ない中、金融政策を巡る手掛かりを得るために、11日(水)の11月のCPI(消費者物価指数)や、12日(木)の週間新規失業保険申請件数などに注目が集まります。

米国以外でも複数の主要国・地域で金融政策会合が開催されます。10日(火)に豪州、11日(水)にカナダ、ブラジル、続く12日(木)にはユーロ圏で金融政策理事会が予定されています。野村ではECBは24年12月から25年6月までは会合毎に0.25%ポイントの計1.25%ポイント、同年9月に0.25%ポイントの追加利下げを実施すると予想します。米トランプ次期政権による関税引き上げのユーロ圏経済へのマイナスの影響が懸念される中、緩やかなペースで連続利下げが実施され、ユーロ安圧力が継続すると見ています。

日本では、9日(月)に11月景気ウォッチャー調査、7-9月期実質GDP(2次速報値)、13日(金)には12月調査・日銀短観が公表されます。12月調査・日銀短観では、景気回復に足踏みがみられるも、依然として業況判断DIが高水準を維持すると野村では予想しています。

足元で景気回復の兆しが見える中国では10日(火)に11月貿易統計が発表されます。米トランプ次期政権による関税引き上げを見込んだ駆け込み需要が輸出を押し上げる可能性があります。また、11日(水)~12日(木)に中央経済工作会議が開催される見通しです。2025年の経済目標と、金融、財政、産業政策などの基本方針が示される見込みです。中国経済の今後を占う上で重要です。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

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