(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
9日の米国株式市場では、主要3指数が下落しました。11日の11月米CPI(消費者物価指数)の発表を前に様子見姿勢が強まり、朝方からコミュニケーション・サービス、資本財などを中心に下落基調となりました。個別銘柄では、中国の規制当局が独占禁止法違反の疑いについて調査を開始したと伝わった半導体大手のエヌビディア(NVDA)は、一時前週末比3.7%安と下落しました。また、AI向け半導体の競争やパソコン向け需要が懸念されたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も下落し、情報技術セクターの重石となりました。為替市場では、11日-12日の中央経済工作会議を前に中国の景気刺激策への期待が高まり、米国債利回りが上昇する中、1ドル=151円台前半まで円安が進みました。
相場の注目点
米国では17日-18日にFOMCを控えて、7日からFRBのブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)入りしてます。また、今週は重要統計の発表も少なく、金融政策を巡る手掛かりを得るために、11日の11月の米CPIや、12日の週間新規失業保険申請件数などに注目が集まります。6日発表の11月の米雇用統計が市場予想の範囲内にとどまったことで、市場ではFRBが12月会合で0.25%の利下げを実施するとの観測が強まっています。ただし、11月米CPIが予想を上回る伸びとなり、インフレの根強さを示す内容となった場合には、利下げ期待が後退して株式相場の重しとなる可能性もあります。他方、日本では、18-19日の日銀の12月会合での利上げに対する市場の期待が低下しています。仮に、日銀の利上げとFRBの利下げのタイミングが重なる場合には、円高圧力が強まる可能性があります。
(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2024年12月10日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。