(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
8日の米国株式市場では、主要3指数はほぼ横ばい圏で取引を終えました。一部報道では、トランプ次期大統領が緊急事態宣言の発令を検討していると報じられるなど、政策に対する不透明感が高まりました。9日が休場、10日に雇用統計を控えていることもあり、様子見の展開となりました。米国10年債利回りは一時4.73%を付けるなど、上昇が続いています。
相場の注目点
CNNはトランプ次期大統領が広範な関税導入の法的根拠を提供するため、経済緊急事態の宣言を検討していると報じました。「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を用いる可能性が考慮されているようです。IEEPAを用いれば、議会の承認なしで特定国にとどまらない広範な関税導入が可能となります。現段階では、あくまでもその他の法律を用いた関税導入と並ぶオプションの一つとの位置づけと見られますが、1月20日の大統領就任に向けては関税関連報道が市場心理の変化を通じ、株式市場や為替相場に影響を与える展開が続きそうです。
本日のイベント
9日はカーター元大統領の服喪の日で米株式市場は休場となります。国内では、11月毎月勤労統計と日銀支店長会議が予定されています。仮に1月利上げへの期待が高まれば、2024年12月会合前のように利上げ期待を牽制する観測報道が見られるか注目されます。
(野村證券 投資情報部 大坂 隼矢)
(注)データは日本時間2025年1月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。