※画像はイメージです。

※2025年1月8日(水)引け後の情報に基づき作成しています。

日経平均株価、保ち合い上限4万円前後の攻防、上放れなるか注目

今週の日本株は、大発会の1月6日に、年末年始の米国株安や国内長期金利の上昇を受けて大幅安となったものの、その後は4万円前後の水準に値を戻す動きとなりました(1月8日時点)。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、昨年12月19日に一時38,300円台まで調整となりましたが、その後上昇に転じ、12月27日には12月12日高値(40,091円)や10月15日高値(40,257円)を超え、掉尾の一振となりました。以降4万円を挟んだ攻防となっていますが、この先、12月27日高値(40,398円)を超えて、9月下旬から続く保ち合い(37,700円前後~40,000円前後)の上限を明確に上放れとなれば、7月11日につけた史上最高値(42,426円)を視野に入れる動きとなると考えられます。

一方で、上値が重く再度調整となった場合は、25日・75日・200日線が集中する38,700-39,300円の水準や12月19日安値(38,355円)の水準が下値メドとして挙げられます。

他方、8月安値(31,156円)以降の上昇過程で底入れのパターンであるダブルボトムが完成しています。また、9月下旬以降の保ち合いについても既に約3ヶ月半が経過しており、日柄調整が十分となっています。12月以降は保ち合い下限まで下落することなく反発し徐々に下値を切り上げており、この先、保ち合いを上抜けして、本格的な上昇相場再開となることが期待されます。

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(注1)直近値は2025年1月8日。(注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

ドル円相場 チャート分析面からの2025年見通し

2024年、ドルは対円で、これまでの中長期上昇トレンドに変化の兆しがみられました。具体的には、24年夏の大幅下落局面で21年以降の上昇トレンドラインを割り込み、52週移動平均線を一時大きく下回りました。その後は反発に転じ再び160円台が視野に入っていますが、チャート上は21年から続く上昇(円安・ドル高)トレンドが変化した可能性に注意が必要です(図2)。

(注1)直近値は2025年1月7日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

1971年以降の長期的なサイクルも重要な要素です。過去のデータから、7~9年ごとに円安のピークを形成してきたことが分かります。前回のサイクル高値125.66円(2015年6月)から、2024年7月までに約9年が経過しています。このため、さらなる日柄の延長は考えにくい時間帯に入っています。2024年7月の高値を超えて、円安・ドル高が加速する可能性は低いとみられます(図3)。

一方で、超長期のトレンドは上向き(円安・ドル高)に変化している可能性が高いことを忘れてはいけません。ドルは対円で、1970年代から大幅に下落してきましたが、その後横ばいを経て、2011年以降上昇に転じました。短期的な波動は金利差の影響を受けやすい一方で、超長期トレンドは日本経済の変化や国際競争力によって影響を受けています。海外生産比率の上昇やデジタル分野における米国企業の台頭がその要因です。

2025年のドル円相場は、当面の天井形成に注意が必要ですが、超長期トレンドは上向きと評価されます。今まで以上に投資の時間軸や目的を見極め、相場と対峙する必要があると言えそうです。

(注1)直近値は2025年1月7日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。 (注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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ご投資にあたっての注意点