(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

16日の米国株式市場では、主要3指数が揃って下落しました。16日発表の米経済指標は、24年12月小売売上高が市場予想を下回った一方、1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想外に改善するなど、まちまちの内容でした。個別では、中華圏でのスマートフォンの販売苦戦が伝わったアップル(AAPL)が下落しました。一方、株高によるトレーディング収益の好調に伴って24年10-12月期の業績が市場予想を上回ったモルガン・スタンレー(MS)は、株価が上昇しました。24年10-12月期決算は金融セクターを中心に好調なスタートを切っています。他方、前日発表の米12月消費者物価指数が過度なインフレ懸念を和らげる内容であったことや、ウォラーFRB理事の講演でのハト派的(金融緩和に前向き)な発言を受けて、米10年国債利回りが4.60%前後まで低下し、為替市場では1ドル=155円台前半まで円高が進みました。

相場の注目点

2025年の金融市場の行方に影響する最も重要な要素の一つが米国の次期政権の政策です。1月20日にトランプ次期大統領が就任します。議会で就任演説を行うとともに、公約実現のために就任初日から様々な大統領令を出すと見られています。米国の金融政策については、1月28-29日のFOMCを控えて、18日からブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)入りします。また、来週の米国では目立った経済指標の発表が無く、市場の関心はトランプ次期政権の動向、米主要企業の24年10-12月期決算発表に集まりそうです。日本では、23-24日に日本銀行の金融政策決定会合が開催され、24日に結果発表と植田日銀総裁の記者会見が行われます。20日の米大統領就任式前後に金融市場が不安定化した場合には、利上げを見送る可能性はあるものの、日銀の利上げがコンセンサスです。しばらくは、日銀の利上げ観測と日米の金利差縮小による円高圧力が継続しそうです。

(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2025年1月17日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点