(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

20日の米国では、キング牧師生誕記念日の祝日でNY株式及び債券市場が休場、主要な米経済指標や決算発表はありませんでした。主要市場が休場となる中、NY為替市場でも取引は通常より低調となりました。トランプ氏の大統領就任演説では、関税により海外からの収入を増やす方針が述べられましたが、具体的な関税措置には言及されませんでした。また、大統領就任初日の関税引き上げを見送る方針が報道で伝わったことで、関税引き上げに対する市場の警戒感が和らぎました。ドルは主要通貨に対してほぼ全面安となり、1ドル=155円台半ばまで円高ドル安が進みました。

相場の注目点

1月20日正午(米国時間)、第47代米国大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が就任しました。就任式での演説では事前に報道されていたように幅広い分野の政策方針が示されました。不法移民の取り締まりなどを優先課題に挙げ、国境の問題に関して国家非常事態を宣言する意向です。また、バイデン政権の政策を痛烈に批判し、パリ協定から離脱を表明しました。最も注目されていた関税については、「貿易制度を見直す」、「他国に関税を課す」、「外国歳入庁を創設」するなどの大きな方針が示されるにとどまりました。報道では、中国、メキシコ、カナダなどを対象に、米国の貿易赤字の調査や、不当な貿易・通貨政策への対処を政府機関に指示する模様です。第2次トランプ政権は、インフレ再燃や株式市場への影響を重視していると推察されます。追加関税によるインフレ懸念が和らぐことは、米国債利回りの低下と、米国株の支援材料になりそうです。また、米大統領就任式前後の金融市場の不安定化が避けられたことにより、23-24日の日銀金融政策決定会合では利上げへのハードルが低下したと見られます。日銀の利上げ観測は円高材料になると見られます。

(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2025年1月21日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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