(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

トランプ氏の大統領就任を受けた休場明けの21日の米国株式市場は主要3指数が揃って上昇と、大きな波乱は見られませんでした。警戒されていた就任初日の関税発動が回避されたことからインフレ再燃への懸念が和らぎ、米長期金利は低下、NYダウは500ドル超の続伸となりました。為替市場では一時ドルが主要通貨に対してほぼ全面安となりましたが、就任式後のトランプ大統領の追加関税を巡る発言を受け買い戻しも進み、ドル円は現在155円台半ばで落ち着いています。

相場の注目点

1月20日にトランプ政権2期目が正式に発足しました。初日の関税発動こそ回避されたものの、トランプ大統領が就任演説後、カナダ及びメキシコに対する追加関税を2月1日に発動する可能性に言及したことを踏まえると、不透明感は払しょくされていません。23日にもトランプ大統領の講演(ダボス会議)が予定されますが、関税政策に絡んだ発言を受けて市場の値動きが荒くなる可能性もあり、引き続きトランプ大統領の発言が焦点になるとみられます。また、今週は23-24日に日銀金融政策決定会合が開催されます。先週の氷見野副総裁や植田総裁の発言に加えて、トランプ大統領就任を受けた21日の金融市場で大きな波乱がみられなかったことから、市場の1月利上げの織り込み度合いはすでに9割程度まで上昇しています。もっとも、24年7月の利上げ後に市場が急落したこと、12月会合で株価を配慮する姿勢が窺えたことを踏まえれば、日銀は政策姿勢がタカ派化したと市場に受け取られないよう、注意深くコミュニケーションをとるものと見込まれます。植田総裁は慎重姿勢を維持するとみられ、記者会見がハト派的とみなされた場合は利上げ実施でも株価が持ち直しの動きを強める可能性もあると考えられます。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2025年1月22日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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