来週の注目点:米国・ユーロ圏の金融政策会合と実質GDP成長率

今週は米国を筆頭にユーロ圏やカナダ、ブラジル、南アフリカで金融政策会合が開催される中銀ウィークです。29日(水)に結果が発表されるFOMCでは、政策金利は据え置きとの見方が優勢です。今回は経済見通しの発表もないことから会合後の記者会見におけるパウエル議長の発言が注目されます。2025年は5年に1度の金融政策の枠組み変更が議論される年に当たります。5年前には平均インフレ目標導入など、インフレを目標近辺に引き上げるための手段が検討されました。議長会見では、利下げ時期や政策金利の着地点に加えて、今後の政策の枠組みに対する発言も注目されます。

一方、30日(木)に開催されるECBの金融政策理事会では0.25%ポイントの利下げが予想されます。インフレにはやや足踏み感が見受けられますが、ECBは景気下振れリスクを緩和するため利下げを継続することが予想されます。野村證券では、1月会合を含めて25年中に5回の利下げを予想しています。

米国では27日(月)の12月新築住宅販売件数を皮切りに、注目度の高い指標が多数発表されます。市場では30日(木)の24年10-12月期実質GDP速報、31日(金)の10-12月期雇用コスト指数、12月個人消費支出(PCE)デフレーターに関心が集まると予想されます。

日本では31日(金)の1月東京都区部消費者物価指数、12月鉱工業生産が注目されます。特に生産統計が自動車を中心とした輸送用機器の生産回復を示すか否かで、今後の景気動向だけではなく企業業績の見通しにも影響を与えることが予想されます。

ユーロ圏では27日(月)のドイツの1月Ifo企業景況感指数、30日(木)のユーロ圏、ドイツの24年10-12月期実質GDP成長率が重要です。先々の景気下振れを示唆する内容となった場合には、ECBに対する市場の利下げ観測を強める可能性があります。

中国では27日(月)に1月政府版PMIが発表されます。内訳系列である雇用指数下げ止まりの有無が注目点です。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年1月24日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(注2)画像はイメージです。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

ご投資にあたっての注意点