
※画像はイメージです。
※2025年2月11日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
今後、150円前後の水準を下抜けるか注目
ドル円相場は、今年1月に158.45円をつけましたが、米長期金利の低下が米ドル安圧力となる一方で、日銀の利上げ継続路線が円高圧力となり、2月には一時150.96円まで下落しました。今回は、今後の動きについて長期波動面から考えてみましょう。
ドルは対円で、1975年以降は7-9年(83~107ヶ月)の周期で主な高値を形成してきました(図1)。昨年7月高値時点で、前回のサイクル高値(2015年6月)から約9年(110ヶ月)が経過し、過去5回のサイクルを超えて最長の期間となりました。さらなる日柄の延長は考えにくい時間帯に入っており、昨年7月高値で天井を形成した可能性が考えられます。
この先の注目点は、週足チャート上のフシが集中する150円前後の水準を下抜けるか否かです(図2)。150円前後の水準には、52週移動平均線(2月12日:152.59円)や、2023年11月高値(151.80円)、22年10月高値(150.48円)といった重要なフシがあります。また昨年12月安値(149.50円)といったフシもあり、下抜けとなれば、今年1月高値が昨年7月高値に対する二番天井となる可能性が高まったと言えそうです。
一方で、超長期のトレンドは上向きに変化している可能性が高いと考えられます(図1)。ドルは対円で、1970年代から大幅に下落してきましたが、その後横ばいを経て、2011年以降上昇に転じました。今後、当面の天井形成には注意が必要ですが、超長期トレンドは上向きであり、天井形成後の円高・ドル安方向の動きは限定的となると考えられます。
※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。

(注1)直近値は2025年2月12日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。 (注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

(注1)直近値は2025年2月12日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成
日経平均株価、4ヶ月半続く保ち合い上限のある4万円回復なるか
今週の日経平均株価は、2月11日にパウエルFRB議長が米上院議会証言にて利下げに慎重な姿勢を示し、その後円安・ドル高が進行したことなどから、堅調に推移しました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図3)。日経平均株価は、1月に4万円をつけましたが、中国の生成AI開発に関する報道や米トランプ関税への懸念から大幅安となり、2月3日には38,401円まで下落しました。ただ、その後は為替が円安・ドル高方向の動きとなったことを受けて、株価は上昇し39,000円台にのせました。
各種テクニカル指標に過熱感はなく、保ち合い相場入りから既に4ヶ月半が経過し、日柄調整も十分となっています。この先、まずは昨年9月下旬以降の保ち合い上限である1月24日高値(40,279円)や昨年12月27日高値(40,398円)のある4万円を回復し、保ち合い上放れへ向けた動きとなるか注目されます。
一方で、再び調整となった場合は、200日移動平均線(2月13日:38,637円)や、2月3日安値(38,401円)の水準が下値のメドとして挙げられます。仮に先行き同水準を割り込んで下げが続く場合は、1月17日安値(38,055円)や、昨年9月以降の保ち合い下限(37,700~800円前後)の水準がさらなる下値メドとして挙げられます。

(注1)直近値は2025年2月13日時点。 (注2)日柄は両端を含む。 (注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)