目次
・株価の基本はファンダメンタルズ
・トランプ政権の唐突で厳しい政策の発表に注意
・米国はテクノロジー分野を中心に企業業績の拡大が続く
・中国と米国は通商問題を中心に対立が続く
・日本企業の業績拡大は続く

株価の基本はファンダメンタルズ

米国トランプ政権の政策が不透明な中、日米で期待インフレ率の高まりや金利上昇圧力がみられます。一方、日本の名目GDPは2024年に初めて600兆円の大台を超え、米国を中心にAIビジネスが拡大するなど、目に見える成長の軌跡もあります。米国の政策により、株式市場のボラティリティー(変動率)が高まる場面もあるでしょう。しかし、米国と日本では2025年も経済成長が続き、企業業績も堅調とみます。我々の基本観は、株式市場は最終的に、実体経済や企業業績などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿って推移するとみています

トランプ政権の唐突で厳しい政策の発表に注意

米国のトランプ政権は、様々な国・地域や製品に対して関税をかけることを表明しています。また、為替や通商状況を注視しつつ、有利な条件を引き出す交渉材料として、突然厳しい政策を打ち出すリスクがあります。米国経済は雇用を中心に堅調ですが、関税や移民制限などもあり、実際のインフレやインフレ期待が下がりにくくなっています。FRBの利下げ再開が遠のく中、トランプ大統領とFRBとの間に軋轢が生じるリスクも考えられますが、ベッセント財務長官は政策金利よりも財政の健全性も絡む長期金利を大統領も注視していると述べ、調整役として市場との対話で安心感を与えています。

米国はテクノロジー分野を中心に企業業績の拡大が続く

米国企業業績は、2024年10-12月期の決算発表が進み、関税政策への不透明さなどから下方修正が進む業種もみられますが、全体としては、テクノロジー分野や金融を中心に堅調です。AIインフラを中心に投資の急拡大が見込まれており、関連ビジネスの成長も期待されます。米国産業のけん引役である先端テクノロジー分野を中心に、企業業績の拡大が続くでしょう

中国と米国は通商問題を中心に対立が続く

ユーロ圏ではドイツで連邦議会選挙が行われ、新政権発足には時間を要するとみられますが、主要国の長期金利は落ち着いています。ECBは当面、連続利下げを続け、景気の下支えになるとみられます。中国は米国との覇権争いで通商問題を中心に対立が続くでしょう。景気悪化を防ぐために中国政府当局は様々な対策を講じるとみられますが、過剰供給能力を背景に関税のかかる米国以外への販路が求められることで、デフレの輸出が広がる懸念があります。

日本企業の業績拡大は続く

日本にとって、米国の関税政策はリスクです。特に自動車産業への影響が大きいとみられますが、関税は米国企業も悪影響を受け得ることや、日本企業も長年にわたり現地生産を強化するなどの対応も進められています。また、2025年は前年に落ち込んだ製造業の生産が復調に向かうとみられます。賃上げも、経済の好循環の起点となります。一方、インフレは日銀の物価目標を上回る推移が続き、利上げ機運と金利上昇圧力が強まっています。その結果、日本の長期金利上昇に伴い、円安・米ドル高の修正が進んでいます。ただし、企業業績を大きく損なうような円高ではありません。主要企業の業績は連続増益が続くとみられ、生産活動の正常化や在庫調整の進展が、業績拡大に寄与するとみられます。歴史的な自社株買いも、株価の下支え要因です。野村證券は、2025年末の日経平均株価の予想を42,000円としています

投資戦略については、トランプ新政権の政策決定過程で政治リスクが浮上する場合は、経済や株式市場に悪影響が及ぶとみられます。インフレ圧力の強まりによる金利上昇には注意が必要ですが、日米ともに経済や企業業績の拡大基調は続くとみます。株価変動が大きくなる局面があったとしても、最終的に株価は企業業績の拡大に沿った推移になるとみます

(野村證券投資情報部 小髙 貴久)

※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 3月号」(発行日:2025年2月25日)「投資戦略の概要」より
※掲載している画像はイメージです。

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