
来週の注目点:米物価関連指標と日本の内需関連指標
トランプ大統領は3月4日、カナダ、メキシコに対する25%の関税賦課と、中国に対して追加10%の関税を賦課することを決定しました(追記:6日、米国・メキシコ・カナダ協定に適合する輸入品については、4月2日に相互関税が発表されるまでの間、追加関税を猶予と発表)。4月1日には相互関税に関する調査が期限を迎えることもあり、もう暫くの間は、市場は米国の関税政策に対して神経質な展開を続けることが予想されます。第1次トランプ政権時の米国株市場では、ツイートなどを通じた追加関税導入の示唆は悪材料視される一方、実際の発動を契機に反発するパターンが典型的に見受けられました。この点では、4月2日に関税政策の大枠が確認できれば、市場の警戒感の後退につながる可能性がありそうです。
米国では18日(火)-19日(水)にFOMCを控え、FRBは8日からブラックアウト(金融政策に関する公式コメントを自粛する)期間入りします。経済指標では、12日(水)の2月消費者物価指数、13日(木)の2月生産者物価指数、14日(金)の3月ミシガン大学消費者マインド速報値が注目されます。2月に引き続き3月も消費者の期待インフレ率上昇とマインド悪化の組み合わせとなれば、市場の利下げ観測を後押しし、長期金利低下を促すことが予想されます。

日本では、10日(月)に1月毎月勤労統計と2月景気ウォッチャー調査、11日(火)に1月全世帯家計調査と10-12月期実質GDP(2次速報値)、12日(水)に1-3月期法人企業景気予測調査と2月国内企業物価指数が発表されます。家計調査や法人企業景気予測調査は常に市場の関心が高い指標ではありませんが、海外景気の先行き不透明感が高いことから、内需の成長余力を確認する上で、消費、設備投資関連統計の重要度が増しています。

その他、今週は11日(火)に米国エネルギー情報局(EIA)、12日(水)に石油輸出国機構(OPEC)、13日(木)に国際エネルギー機関(IEA)の3月月報が発表されます。トランプ政権はエネルギー価格の低下を目指していること、世界的なエネルギー需要低下懸念が高まっていることから、各機関の需要・価格見通しが注目されます。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)
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