本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

エムスリー (2413)
キヤノン (7751)
アドバンテスト (6857)
TDK (6762)
小糸製作所 (7276)

エムスリー、2021年4-6月期営業利益は前年同期比2.2倍に

 新型コロナ禍で製薬会社の医療情報担当者(MR)の活動が制限される中、当社の提供する医薬品情報サイトを利用して製品情報を提供する会社が増加しました。海外事業は米国での臨床試験(治験)を支援する事業や、中国をはじめすべての事業が堅調に推移したことに加え、中国子会社の香港上場に伴う利益を計上したことにより、同事業のセグメント利益は前年同期比109億円増加しました。

キヤノン、営業利益実績は市場予想上回る オフィス稼働率の回復などが追い風に

 1-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。ユニット別にみると、プリンティングビジネスユニットでは、オフィス稼働率の回復に伴い、オフィス向け複合機が販売好調であり、併せてサービスと消耗品も回復しました。また、インクジェットプリンターも前年の在宅特需の反動はありましたが堅調を維持し、同ユニットは大幅増益となりました。その他、イメージングビジネスユニットは、デジタルカメラなどの販売が好調で前年同期の赤字から黒字転換しました。通期見通しに関しては、7月19日に上方修正済みであり、据え置きました。

アドバンテスト、営業利益実績は市場予想を上回る スマホや自動車向けで検査装置需要増

 4-6月期は、半導体用試験装置が業績をけん引し、営業利益実績は市場予想を上回りました。ハイエンド化が進むスマホ向けや、市況改善が進んだ自動車や産業機器向けを中心に全般に需要が伸びました。今後について、受注急増の反動や部材調達面での懸念があるとしながらも、4月に発表した通期見通しを上方修正しています。

TDK、営業利益実績は市場予想を大きく下回る 株式分割も発表

 4-6月期の営業利益実績は、市場予想を大きく下回りました。主力のエナジー応用品セグメントでは、二次電池がICT市場向けに販売好調でした。また、エナジー応用品セグメントでは、セラミックコンデンサーの自動車向け販売が増加しました。しかし、半導体などの部材の供給不足や、スマホ生産がインド・東南アジアでのコロナ感染再拡大による悪影響を受けたことなどが業績の重石となりました。決算発表に併せて、株式分割も発表しており、2021年9月30日最終の株主名簿に記載または記録された株主の所有する普通株式1株を3株に分割するとしました。

小糸製、営業利益実績は市場予想並み 通期見通しを上方修正

 4-6月期の営業利益実績は市場予想並みでした。世界自動車生産台数が、前年のコロナ禍による生産調整・休止等の減産から回復したことに伴い、当社の自動車照明器関連事業も堅調に推移しました。22.3期の見通しを上方修正しましたが、市場予想には届きませんでした。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年7月28日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

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