※画像はイメージです。

※2025年3月27日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

節目となる25日線や200日線を明確に上抜けするか注目

今週(3月24日~)の日経平均株価は、円安進行などを背景に週前半は堅調でしたが、トランプ大統領が自動車への25%関税賦課を命じる大統領令に署名したことを受け、27日は3営業日ぶりに反落しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。

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(注1)直近値は2025年3月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。  
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

日経平均株価は、3月11日に一時35,987円まで値を崩す場面がありましたが、その後は急反発となり、底入れ局面で見られる長い下ヒゲを引きました。26日には一時38,220円まで値を戻して、下向きの25日移動平均線(3月27日:37,676円)や、昨秋から今年2月までの保ち合い下限(37,700~800円前後)を超えました。その後押しを入れており、調整一巡後に200日線(3月27日:38,563円)を回復することができるか注目されます。それら水準を超えれば、自律反発の域を出て本格的な上昇トレンド再開の可能性が高まったと捉えられます(図1)。

一方、この先再び下値模索の展開となる場合は、3月11日安値(35,987円)や、昨年8月安値から12月高値までの上昇幅に対する50%押し(ザラバベース:35,777円)、昨年9月9日安値(35,247円)等のある35,000円台の水準が下値メドとして挙げられます(図1) 。

‟市場の乱高下を冷静に″ 上昇する指数にも目を向けよう

今年に入り、トランプ関税を巡る景気の先行き不透明感の高まり等を受けて、ナスダック総合指数や日経平均株価が大幅安となりました。これら株価指数は重要なフシである52週移動平均線を割り込んでおり、チャート上で注意が必要な状況です(図2)。

(注1)直近値は2025年3月27日。 (注2)日柄は両端を含む。 (注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。  

(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

しかし、日米の全ての株価指数が崩れているわけではありません。前述の通り、日経平均株価は主に値がさのハイテク株が大きく下落し、52週線を下回りましたが、TOPIXはその52週線を維持しています(図3)。

(注1) 直近値は2025年3月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。

(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成

この動きは、金利上昇の恩恵を受けた銀行株の上昇や、内需およびディフェンシブ関連銘柄の堅調な動きによるものです。また、今年3月の戻り高値は、昨年12月の高値を超えるなど、チャートの好転の兆しも見られます。さらに、米国の株価指数の中でも、NYダウ(図4)やS&P500指数は一時的に52週線を下回りましたが、その後早期に回復しています。

(注1)直近値は2025年3月26日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。

(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成


より広い視点で世界の株価指数を見ると、今年に入って大幅に上昇している指数もいくつかあります。例えば、ドイツのDAX指数は財政拡張への期待から大きく上昇しています。また、中国の株式市場も、中国当局の景気対策や規制緩和への期待が高まる中で、上昇傾向にあります。

3月の日米株指数の一部においてチャート上の警告が鳴り響いているのは事実ですが、世界的には上昇を続ける指数も存在します。過度な不安を抱えることなく、冷静に市場の動向を見守り、チャンスを見逃さないようにしたいものです。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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