
※画像はイメージです。
米国企業の2025年1-3月期決算発表が4月中旬から始まります。時価総額で米国株の約8割をカバーするS&P500は、トランプ政権の関税政策への不透明性から、25年2月19日に史上最高値を付けた後、下落しました。株価に重要な業績のポイントは下記と考えられます。
① 実績が市場予想を上回る程度(サプライズ)
② 今後の市場予想の変化
サプライズについては、米国企業が保守的な会社見通し(ガイダンス)を示すケースが多いことなどから、純利益の実績が市場予想を上回ることが通常です。
図表1の赤色の折れ線グラフは、S&P500のうちデータ取得可能な銘柄の四半期毎の純利益の実績、灰色点線の折れ線グラフは決算発表直前の純利益市場予想です。実績と予想は概ね並行して推移しているように見えます。24年10-12月期のサプライズは+8%、24年4四半期の平均は+7%でした。
点線の赤色の丸は、仮に25年1-3月期実績が、前年同期と同程度のポジティブサプライズ、言い換えれば、純利益実績が予想と同じ成長率で増加した場合の水準です。株式市場は、実績が予想と一致するのではなく、ある程度上回ることを期待しているといえそうです。
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※注記は図表2に集約
図表2のように、純利益は今後増加すると予想されています。25年10-12月期は前年同期比で+19%の成長が見込まれ、25年の4四半期の平均は+16%です。決算発表を終えて、この水準が上方修正されるかが注目されます。

(注)純利益は、2025年3月31日時点のS&P500構成銘柄のうち、データ取得可能な485銘柄の合計で、S&P500の指数値算出で行う浮動株比率の調整はしていない。予想は、2024年10-12月期以前(実線部分)は決算発表直前、2025年1-3月期以降(点線部分)は2025年3月31日時点のLSEG集計による市場予想平均。図1の点線の丸と棒グラフは、25年1-3月期の前年同期比の実績の成長率が予想の成長率と同じだった場合。図2の矢印は、市場予想が上方修正または下方修正されるイメージ。サプライズは実績予想比(実績/予想-1)、成長率は前年同期比。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成
下記の点についての企業のコメントも注目されます。
A) トランプ関税による消費への逆風
B) デジタル課税など各国の報復措置の悪影響
ミシガン大学の消費者調査では、関税によるインフレ率上昇への懸念から民主党支持者を中心に景況感が悪化しています。経済成長の重要項目である消費の減少による、業績への悪影響が懸念されます。
また、EUなどが関税への報復措置の選択肢として提示したデジタル課税や罰金について、業績への悪影響がどの程度かの観点から、米大手IT企業のコメントが注目されます。
株式市場ではトランプ関税についての不透明性が嫌気されていますが、堅調な企業業績が確認されることが中長期的な株価の上昇に重要と考えられます。