
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
7日の米国株式市場でNYダウ、S&P500指数は3営業日続落となりました。NYダウは取引開始直後に先週末の終値から一時1,700ドル超下落しました。その後は一転して892ドル高まで急伸したものの、トランプ大統領が90日間の関税一時停止を検討していると報じられた後、ホワイトハウスから直後に否定するコメントが出るなど、関税関連の情報が錯そうするなか、米国株は乱高下する展開となりました。
相場の注目点
トランプ政権による4月2日の相互関税の詳細発表以降、米国株は荒い値動きが続き、NYダウは2024年12月につけた史上最高値から約16%の下落となっています。もっとも、米国株の下落には一服感もみられ、一時60ポイント台に乗せる場面もみられたVIX指数は、足元では40ポイント台まで低下しています。また、FRBが追加利下げに慎重な姿勢を維持していることから、昨日は利下げ期待が後退し米国10年国債利回りは上昇、為替市場では米ドルが円やユーロに対して反発しています。米ドル円は1ドル=148円台の回復を試す展開となりました。
とはいえ、目先は4月9日の相互関税発効を見据え、関税政策を巡るトランプ大統領の発言や各国との交渉の進捗状況に対して神経質な相場展開が続くことが予想されます。関税率の引き下げや発動の先送りなど、トランプ政権が柔軟な姿勢を示した場合は市場心理が改善し、世界的な景気悪化懸念は和らぐとみられる一方、交渉が決裂し予定通りの発効となった場合は一部の国・地域が報復関税に動く公算が大きく、警戒感がさらに強まる可能性もあります。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)


(注)データは日本時間2025年4月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。