(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

14日の米国株式市場では主要3指数が揃って続伸しました。トランプ政権が11日に相互関税の対象からスマートフォンや半導体製造装置などを除外したことに加え、14日にはトランプ大統領が自動車関税について救済措置を検討する旨を発言したことで、関税を巡る過度な警戒が後退し、投資家のリスク回避姿勢が和らぎました。一方、ラトニック米商務長官は13日、相互関税の対象から除外した製品については今後詳細が発表される半導体関税に組み入れると表明しています。トランプ政権の関税政策は二転三転しており、先行き不透明感はなお強い状態にあると言えます。

相場の注目点

15日はバンク・オブ・アメリカ、シティグループといった米大手金融機関が2025年1-3月期決算を発表します。今決算シーズンは好スタートを切っていますが、一方で経営トップは米国経済や金融市場の見通しに警戒感を示しています。例えば、11日に決算を発表したJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、トランプ政権の関税政策が「インフレと成長鈍化を招く」、「経済は大きな混乱に直面している」とコメントしました。また、14日にはゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOが「今年初めとは大きく異なる事業環境の中で4-6月期を迎える」と、今後の事業環境の厳しさを示す発言をしています。トランプ政権の関税政策は依然読めない部分が大きく、本格化する決算発表で示される各社の見通しも先行きの相場のかく乱要因となりえます。株式市場が落ち着きを取り戻すには時間がかかる可能性がありそうです。

米国では本日、4月NY連銀製造業景気指数が発表されます。NY連銀の管轄する地域限定の指数ではありますが、4月2日の相互関税の詳細発表後に急速に強まった米国経済の減速懸念が反映されるデータであり、注目しています。

(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)

(注)データは日本時間2025年4月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点