(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

15日の米国株式市場では主要3指数が下落しました。朝方発表されたバンク・オブ・アメリカ(BAC)やシティグループ(C)などの金融大手の好決算が好感される中、株式市場は寄り付き後に上昇しました。しかし、米国とEUの関税に関する交渉で進展が見られなかったと報道されるなど、トランプ政権の関税を巡る不透明感が相場を下押しし、午後に掛けて売り優勢となりました。個別では、中国が国内航空会社に対してボーイング製の航空機の追加納入を受けないよう命じたという報道を受け、航空機大手ボーイング(BA)が下落しました。為替市場では、16日発表の3月米小売売上高や、関税を巡る日米交渉を控えて、円は1ドル=143円前後で小動きとなりました。

相場の注目点

引き続きトランプ政権の動向に揺さぶられる相場展開が見込まれます。足元では、米国との二国間交渉の行方が注目されます。17日にも交渉を開始するとみられる日米の貿易交渉では、どのような協定が締結されるのか、他の同盟国との交渉の試金石にもなるため、注目を集めます。また、本格化しつつある25年1-3月期の決算発表にも注目です。本日はオランダの半導体製造装置のASMLホールディング(ASML)が決算を発表します。トランプ政権の政策が半導体産業に及ぼす影響について示唆が得られるか、確認したいと思います。さらに、本日は米中で重要統計が発表されます。米国では、3月小売売上高、3月鉱工業生産が発表されます。景気の減速感が今後強まった場合は、トランプ政権の関税政策やFRBの金融政策にも影響を与えるとみられます。景気回復の勢いの弱い状態が続く中国では、25年1-3月期実質GDP、3月小売売上高と鉱工業生産、1-3月固定資産投資と不動産投資が発表されます。

(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2025年4月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点