(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

17日の米国株式市場でNYダウは終日軟調な値動きとなり、3営業日続落となりました。トランプ関税に伴う景気減速懸念は根強く視界不良の相場環境が続くなか、昨日は構成銘柄であるユナイテッドヘルス・グループが2025年1-3月期決算で、通期利益見通しを引き下げたことを受け大幅安となったことが指数を押し下げました。また、前日の下落を受けて半導体やハイテク株の一部には買い戻しの動きもみられましたが、ナスダック総合の上値は重く、結局マイナス圏で取引を終了しました。なお、18日はグッドフライデーのため、米国株式市場は休場となります。

相場の注目点

4月2日にトランプ大統領が貿易相手国に相互関税を課すと発表して以降、金融市場ではにわかにリスクオフの動きが強まりました。相互関税の上乗せ分は90日間(7月7日まで)停止しており、この猶予期間中に軽減措置などで合意できるか、各国と米国との通商交渉が目先の焦点となります。トランプ大統領はすべての交渉を3~4週間で終えられると自信を示しており、すでにベトナムや日本、イタリアなどと関税政策について交渉を進めています。

ECBは17日の金融政策会合で、市場予想通り0.25%ポイントの利下げを決定しました。24年に利下げを開始して以降、7回目の利下げとなり、中銀預金金利は2.25%に引き下げられました。ECBは中立金利を1.75%~2.25%と考えており、今回の利下げでレンジ上限に達したことになります。ラガルド総裁は会見で、「経済の下振れリスクは高まっている」と話しており、今後はトランプ政権の関税政策を受けた景気下振れリスクに対し、ECBが中立金利以下の水準まで利下げを継続するのかが焦点になるとみられます。野村證券では財政拡張が関税政策の悪影響を和らげるとの見方から、次回6月会合が今利下げ局面で最後の利下げになるとみており、中銀預金金利の着地点は2.00%になると予想しています。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2025年4月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点