
※画像はイメージです。
※2025年4月17日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
日経平均株価、大幅反発も上値重い展開。下向きの25日線を突破なるか
今週の日経平均株価は、トランプ政権の関税政策発動の流れが一服し、これまでの下落に対する買戻しの動きがみられ、底堅く推移しました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、4月に入り米国による相互関税の発表を受けて大幅安となり、7日には一時30,792円まで下落しました。その後一部関税政策修正を受けて大幅反発したものの、その後は上値の重い動きが続いています。この先、再び上昇基調となり10日戻り高値(34,639円)を超える場合は、下向きの25日移動平均線(4月17日:35,557円)や、昨年12月高値から今年4月安値までの下落幅に対する半値戻し(35,595円)の水準を回復できるか注目されます。
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(注1)直近値は2025年4月17日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
一方で、関税を巡る不透明感は当面続くとみられ、再び大幅安となる場合は、2023年10月安値(終値ベース:30,526円)等、多くのフシがある30,000円前後の水準で下げ止まるか注目されます(図2)。
同水準近くには長期月足チャート上の5年移動平均線(4月17日:30,668円)も控えます(図3)。過去10年間の主要な下落局面においては、2020年のコロナショックを除き、概ね5年線が下支えとなってきました。今回も同様の動きとなるか注目されます。

(注1)直近値は2025年4月17日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

(注1)直近値は2025年4月17日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成
日経平均株価、調整余地は限定的とみる
トランプショックの影響で、米国株を中心に世界の株式市場が大きな打撃を受けましたが、日本株への影響は特に深刻でした。日本株は世界株の中では景気敏感株の位置づけとなっていることも影響を及ぼしているのかもしれません。4月安値形成後に一旦反発した日本株ですが、トランプ大統領の発言や米国の景気動向次第で、さらなる調整となる可能性があります。
ただ、今回の下落局面と2010年代の主要な下落局面を比較した場合、相当程度調整が進展していると考えられます(図4)。日経平均株価では、2010年以降、主要な下落局面が4回ありました。それら局面の下落率は19.4%~31.8%であり、平均下落率は26.9%となります。今回は昨年7月高値から今年4月安値までに既に26.3%下落しており、平均とほぼ同水準です。
仮に、最大の下落率31.8%(コロナショック時)を今回に当てはめると28,796円と試算されます。その水準までは、今年4月安値(31,136円)から2,340円の下げ余地があります。しかし、昨年7月高値(42,224円)から今年4月安値まで既に11,000円を超えて下落しているため、追加の下落余地は限定的と言えるでしょう。
今年4月安値以下には、これまで何度も下支えとなってきた5年移動平均線(4月17日:30,668円)や(図3)、主要な高値や安値の集中する3万円前後の水準が控えています。今後もしばらくは上値が重い状況が続く見込みですが、さらなる調整は限定的であると考えられます。

(注1)直近値は2025年4月17日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)