
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
14日の米国株式市場で主要3指数はまちまちの動きとなりました。中東を歴訪しているトランプ大統領がサウジアラビア以外の国ともAI関連の取引をまとめており、半導体などの輸出が拡大するとの期待などからハイテク株が上昇し、ナスダック指数は6日続伸しました。一方、NYダウは前日比でプラス圏で推移する場面もありましたが、このところの急速な買い戻しを受けて相場にやや過熱感が出ていたことなどが意識され、続落となりました。
相場の注目点
米中貿易交渉が進展し、世界経済に対する過度な不安が後退したことなどから、足元の日本株は堅調に推移しています。しかし、まだ日米間の交渉がまとまったわけではありません。しかも、相手はこれまで政策を二転三転させてきたトランプ政権です。今後行われる日米協議で、焦点である自動車関税で打開の糸口が見出すことができなければ、失望感が広がる可能性も考えられるなど、引き続き予断を許しません。なお、日米協議について、日米両政府は来週、事務レベルでの協議を行う方向で調整を進めており、日本政府はそれを受けて次回の閣僚交渉の日程を固める方針の模様です。
本日のイベント
米国で5月NY連銀製造業景気指数、4月小売売上高、4月鉱工業生産などが発表されます。4月2日に発表されたトランプ政権による相互関税を受け、米国経済の先行き不透明感が強まる中、実際の経済活動を示すデータである小売売上高や鉱工業生産の動向に注目しています。企業面では、米国でウォルマートが25年2-4月期決算、日本で三菱UFJフィナンシャル・グループ、日本郵政、キオクシアHDなどが25年3月期通期決算を発表します。また、パウエルFRB議長の講演が予定されているほか、ロシアとウクライナがウクライナ紛争の停戦に向けた直接交渉をトルコで行います。
(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)


(注)データは日本時間2025年5月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。