来週の注目点:米ISM景気指数、雇用統計、ECB金融政策理事会

6月17日(火)-18日(水)にFOMCを控えて、FRBは今週末に金融政策に関する公式発言を自粛するブラックアウト期間に入ります。これまでのFRB高官の発言を踏まえれば、トランプ政権の政策不確実性を背景に、当面は金融政策の据え置きがFRB内のコンセンサスとなっているようです。

今週の米国では月初の重要統計の発表が多数予定されていることから、政策判断への影響が注目されます。景気に先行性のあるセンチメント指標としては、2日(月)の5月ISM製造業、4日(水)の同サービス業景気指数が注目されます。既報の5月のPMI(速報値)では、製造業、サービス業ともに改善しました。実際の経済活動を補足したハードデータでは3日(火)の4月雇用動態調査(JOLTS)、4日(水)の5月ADP全米雇用レポート、6日(金)の5月雇用統計が注目されます。労働需給緩和の動きがみられるようだと、市場の利下げ観測が前倒しされる可能性があります。

日本では3日(火)の植田日銀総裁講演、2日(月)の1-3月期法人企業統計季報、5日(木)の4月毎月勤労統計が注目されます。植田日銀総裁は、FRB同様に、様子見姿勢を示すと予想されます。日銀は国債保有額の削減ペースに関する中間評価を控えていますので、この点に関して言及があれば市場の関心を集めそうです。経済指標については、法人企業統計では企業の設備投資動向と在庫状況が、毎月勤労統計ではインフレ分を除いた実質賃金と基本給に当たる所定内給与の動向が注目点です。

今週は4日(水)にカナダ、5日(木)にユーロ圏、6日(金)にインドとロシアで金融政策会合が開催されます。ECBは24年6月以降、7回の利下げを実施してきましたが、野村證券では今会合でも0.25%ポイントの利下げを予想しています。 

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

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