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海外市場の振り返り
連休明け7日の米国株式市場で主要3指数は揃って反落しました。トランプ大統領はこの日、貿易相手国への新たな関税率を通知すると表明していたことから、米国の関税政策を巡る不透明感が投資家心理の重石となりました。正午過ぎから具体的な書簡の送付相手国や関税率が明らかになると、一段安の展開となりました。日本に対する関税率は25%(4月2日公表の相互関税は24%)とされました。米ドルは対円や対韓国ウォンなど、関税引き上げ対象国の通貨を中心に上昇しました。
相場の注目点
米国の関税政策を巡る不確実性が続いています。相互関税上乗せ部分の一時停止措置に関する猶予期限が7月9日に迫る中、トランプ大統領は7月7日に貿易相手国に対して新たな関税率の通知を開始しました。日本や韓国をはじめ、14ヶ国に書簡を送付したほか、その他の交渉相手国・地域に対しても7月9日までに同様の書簡を送る意向を示しています。全体的には4月2日公表の相互関税と同率ないしは小幅低下となった国が多いものの、相互関税の基本部分である10%に収斂するという一部の見方と比較すると、トランプ大統領が再び強硬姿勢を強めていることが伺えます。一方で、新たな関税率の適用が8月1日に延期されたことで、実施日を遅らせることでその間に交渉進展を促すといった、常套手段であるとの見方もあります。目先は警戒感から神経質な相場展開が続くことが予想されますが、今後関税交渉の先を見据えた動きが広がれば、自動車や機械、鉄鋼株など、関税の影響から売られた銘柄を中心に、買い戻しの動きが強まる可能性もありそうです。
本日、日本では6月景気ウォッチャー調査が発表されます。減速しているインバウンド関連の判断に注目が集まります。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)


(注)データは日本時間2025年7月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。