(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

7月24日の米国株式市場では、S&P500及びナスダック総合が続伸し、史上最高値を更新しました。前日引け後発表の2025年4-6月期決算が好感されたアルファベット(GOOGL)の株価が上昇し、テクノロジー株をけん引しました。一方、決算発表を受けて先行き懸念が強まったテスラ(TSLA)やチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)の影響を受け、一般消費財が下落しました。また、決算発表でソフトウエア部門の減速が懸念されたIBMの株価下落が重石となり、前日に年初来高値を更新していたNYダウは反落しました。

相場の注目点

米国市場では、好調な2025年4-6月期決算や、関税を巡る米国と各国との交渉進展、底堅い経済データなどを受けて投資家の楽観的な見方が強まり、株価が押し上げられています。他方、関税交渉を巡る先行き不透明感が薄れたことで、前日の日本株は大幅高となりました。22日に公表された日米関税交渉の妥結内容は、相互関税及び自動車の関税率がともに15%とされています。現行の関税率との比較では、自動車は10%ポイント引き下げられる一方、相互関税は5%ポイント引き上げられます。野村證券では、両者の影響は相殺されるものの、関税を巡る不確実性の低下に伴う設備投資の押し上げ、底堅い米国経済、自社株買いの上振れなどを考慮し、2025年末のTOPIXの見通しを3,000ポイント(従来は2,850ポイント)、日経平均を42,000円(従来は39,500円)に引き上げました。なお、今回の関税を巡る日米合意が、今後の政局や政策決定に影響を与える可能性があります。市場ではこれらの、政局をにらんだ財政面からの刺激策に対して一喜一憂する局面となることも想定しておくべきでしょう。

(野村證券 投資情報部 坪川一浩)

(注)データは日本時間2025年7月25日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点