(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

20日の米国株式市場で主要3指数はまちまちの動きとなりました。ヘルスケアや公益などのディフェンシブ株が堅調に推移する一方、これまで好調だった半導体などハイテク株が下落し、相場の重石となりました。午後に発表されたFOMC議事要旨(2025年7月会合分)では、過半数の参加者がインフレリスクが雇用下振れリスクよりも大きいと見ていたことが判明しましたが、9月FOMCでの利下げ再開シナリオを変更する内容ではないと受け止められ、株式市場への影響は限定的でした。

相場の注目点

投資家の注目は、本日から開催されるカンザスシティ連銀主催の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」(~23日)に集中しています。特に市場が高い関心を寄せているのは、22日の朝8時(日本時間午後11時)に予定されているパウエル議長の講演です。パウエル議長は24年の同会議で「金融政策を調整する時が来た」と発言し、9月FOMCでの利下げ開始の布石を打ちました。そのため、今回も同様に利下げの可能性を示唆するかどうかが焦点となっています。一方、依然としてインフレ圧力が続いているため、利下げ観測を強める発言を控える可能性がある点に注意が必要です。現在、日米の主要株価指数は過去最高値圏で推移しており、バリュエーションには割高感が出ています。パウエル議長の発言次第では相場が大きく動く可能性があります。

本日は日米欧で8月S&PグローバルPMIの速報値が発表されます。米国では8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や7月中古住宅販売件数が注目されます。また、米小売大手のウォルマートや、ビデオ会議システムを運営する米ズーム・コミュニケーションズが25年5-7月期決算を発表する予定です。

(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)

(注)データは日本時間2025年8月21日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点