
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
9月1日は欧州株式市場が軒並み上昇しました。ロシアのウクライナ侵攻を巡り、欧州委員会のフォンデアライエン委員長がウクライナへの部隊派遣計画に言及したとの報道を受け、防衛関連株を中心に買いが広がりました。もっとも、米国市場がレイバーデーの祝日で休場となる中、為替市場ではドル円相場の膠着感が続き、1米ドル=147円台前半で推移しています。
相場の注目点
米国では9月16-17日にFOMCが開催されます。市場はすでに9月の利下げ再開の可能性をほぼ織り込んでいますが、大幅利下げへの思惑がくすぶる一方、関税引き上げによる影響への警戒も維持され、その後の見通しは依然不透明といえます。引き続きデータを精査する必要があるとみられる中、今週は6日のブラックアウト期間(金融政策に関する発言を自粛する期間)入りを前に、2日(火)の8月ISM製造業景気指数や4日(木)の8月ISMサービス業景気指数、5日(金)の8月雇用統計が関心を集めるほか、4日(木)のウィリアムズNY連銀総裁の講演など、FRB高官による情報発信も注目されます。
他方、フランスでは2026年緊縮予算案を巡る与野党の隔たりが大きく、9月8日(月)の信任投票でバイル内閣は総辞職に追い込まれる公算が大きいとみられます。昨年12月にもバルニエ首相(当時)による2025年緊縮予算案に野党が反発したことで内閣不信任決議が可決されましたが、フランスの政局不安からユーロ安圧力が強まる可能性には注意が必要です。
本日のイベント
本日は氷見野日銀副総裁の講演が予定されます。執行部内ではややタカ派色が強いとされますが、10月会合での利上げの可能性を示唆するか注目されます。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)


(注)データは日本時間2025年9月2日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。