本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

SMC (6273)
ゆうちょ銀行 (7182)
東急 (9005)
カネカ (4118)
森永製菓 (2201)

SMC、実績・見通し共に市場予想を上回る 半導体関連や米中向け伸びる

 4-6月期の営業利益実績は、市場予想を上回りました。自動制御器の需要は、半導体関連では中国を中心に各地域で高い水準が継続しました。自動車関連及び工作機械関連は、一部で半導体供給不足の影響はあったもののの、EV関連投資の拡大などもあり総じて好調でした。半導体関連や米中向けの需要増を受け、通期の営業利益見通しを引き上げています。

ゆうちょ銀行、経常利益は市場予想を上回る 対通期計画進捗率は4割超え

 4-6月期の経常利益は市場予想を上回りました。経常利益は、通期業績予想3,550億円に対し、45.8%の進捗率となりました。親会社株主純利益は、通期業績予想2,600億円に対し、46.4%と高い進捗率でした。この進捗率については、2021年度の外債償還益が第1四半期に集中していることから、計画当初から40%弱と想定していました。通期業績予想については、据え置かれました。

東急、4-6月期営業利益は黒字を確保 交通事業などが回復

 4-6月期の営業収益は、「収益認識に関する会計基準」などの適用により前期比5%の減収となるものの、営業利益は交通事業やホテル・リゾート事業中心に、前年の緊急事態宣言による外出自粛や店舗休業の影響から利用者数が回復し、前年同期157億円の営業損失から11億円の営業黒字で着地しました。2022年3月期は緊急事態宣言の延長により、ホテル・百貨店を中心に減収・減益が見込まれますが不動産販売事業の増収増益が寄与し、通期見通しの営業収益・営業利益は据え置かれました。

カネカ、4-6月期営業利益は市場予想を上回る 全セグメントが増収増益

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。海外市場を中心に先端事業・コア事業ともに強いモメンタムが継続しました。四半期として、売上高は過去最高を更新し、営業利益は前年の第3四半期、第4四半期をさらに上回りました。新型コロナ感染拡大の影響を受けた前年同期に比べて、すべての事業セグメントで増収増益となりました。事業環境の不透明感から、通期見通しに関しては据え置かれました。

森永製菓、市場予想を上回る営業増益 「inゼリー」が業績けん引

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。食料品製造事業の健康部門がけん引役となりました。特に、主力ブランドの「inゼリー」が、前年の売上減少の反動に加え、自宅トレーニングにおける栄養補給といった飲用シーンの提案、フルーツ食感などの新たなニーズに対応した新商品の展開もあり、前年同期実績を大きく上回りました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。野村カバレッジ銘柄でもQUICKコンセンサスのない銘柄は除外している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年8月11日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

・前日(8/10)の決算速報:<野村の決算速報>ソフトバンクG、ブリヂストン、日本ペイント、アサヒG、キリン(8/10)

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