
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
10月29日の米国株式市場では、主要3指数が続伸し、史上最高値を更新しました。トランプ大統領と習近平主席による30日の会談を前に米中貿易摩擦の緩和期待が高まったことや、29日まで開催される10月FOMCでの追加利下げに対する期待が相場を押し上げました。また、半導体大手エヌビディアによるフィンランドの通信機器大手ノキアとの提携や、米エネルギー省向けに7台のスーパーコンピューターを構築するという報道を受けてエヌビディアの株価が上昇し、相場をけん引しました。さらに、米マイクロソフトと対話型AI「Chat(チャット)GPT」を手掛ける米オープンAIが新規株式公開を視野に入れた組織再編に合意したことでマイクロソフトの株価が上昇し、情報技術セクターの支援材料となりました。
相場の注目点
足元では日米交渉など外交や安保が焦点となっていますが、高市内閣の高い支持率が続けば政策期待が日本株の押し上げ材料となりそうです。また、今週は日米の企業決算発表の序盤戦のピークを迎えます。実績に加えて、会社が示す通期見通しや、情報技術セクターではAI関連の設備投資の動向に注目が集まります。米国では本日のマイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、明日のアップル、アマゾン・ドットコム、日本では本日のディスコなど、注目のテクノロジー企業の決算発表が続きます。前日引け後に決算を発表した半導体検査装置のアドバンテストは、AI向け需要の好調を背景に好決算を発表しました。日米株の短期的な過熱感を指摘する声がある中、株価の上昇が本物との見方が強まるためには、AI関連の需要の強さが改めて確認され、好決算が出てくることが必要とみています。また、足元では、日米の金融政策決定会合にも注目です。本日はFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見が開催されます。本日から明日にかけては日銀金融政策決定会合が開催されます。
(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)


注)データは日本時間2025年10月29日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。