トランプ大統領は11月12日、政府閉鎖を解除する法案に署名しました。これにより、早ければ11月13日にも一部の連邦職員は職場復帰する見込みです。つなぎ予算の成立により、連邦政府の大半は2026年1月30日まで運営を維持できます。ホワイトハウスのレビット報道官は12日、政府閉鎖の影響で一部の経済指標が公表されない可能性が高いと述べました。労働統計局は、公表が遅延している経済指標の新たな発表日程を数日以内に発表する見込みです。過去には遅延した複数指標が同時に公表され、市場に大きなノイズを与えて不安定化要因となる、「スタッキング効果」が生じたと言われる事例もあります。

米国では今週も多数のFRB高官の講演が予定されているほか、19日(水)には米半導体大手エヌビディアの決算発表が予定されています。

経済指標では政府閉鎖の影響を受けない、18日(火)の11月NAHB住宅市場指数、20日(木)の11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、21日(金)の11月S&PグローバルPMI速報値、11月ミシガン大学消費者マインド確報値などが注目を集めそうです。

日本では17日(月)に7-9月期の実質GDP(1次速報値)が発表されるほか、19日(水)には9月機械受注と10-12月期見通し、21日(金)には10月全国消費者物価指数、11月S&Pグローバル日本PMI速報値が発表されます。7-9月期の実質GDPの前期比年率成長率は、トランプ関税等の影響からマイナス成長が予想されています。ただし、10-12月期には反発すると見込まれ、日本経済に対する市場の見方を大きく下方修正させる要因にはならないと予想されます。

20日(木)には小枝日銀審議委員の講演が行われます。小枝委員は、25年3月の就任会見では慎重な答弁に終始しました。市場では次回12月の金融政策決定会合での利上げの有無に対する関心が集まっていることから、小枝委員の政策スタンスが注目されています。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年11月14日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期または中止されるものがありますのでご注意ください
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