
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
11日の米国株式市場では、主要3指数がまちまちとなる中で、NYダウが前日から600ドル以上上昇し、史上最高値を更新しました。前日引け後に発表した決算が失望され、オラクルが前日比10%以上下落する中で、景気回復の恩恵を受けやすい銘柄群へのローテーション取引が活発化しました。また、前日のFOMCでパウエルFRB議長が早期利上げの可能性を否定したことを受けて、金利低下の恩恵が大きい中小型株にも買いが入りました。為替市場では米ドルが主要通貨に対して弱含む中で、米ドル円相場が1米ドル=155円を割り込む場面もありましたが、その後同155円台半ばまで揺り戻しています。
相場の注目点
金融市場は12月FOMCを無難に消化し、市場参加者の関心は12月18-19日に開催される日本銀行の金融政策決定会合にシフトしているようです。先物金利は0.25%ポイントの利上げをほぼ織り込んでいます。今回は展望レポートが発行される会合ではないことから、市場では日銀の利上げペースと政策金利の着地点に関する植田総裁のコミュニケーションが注目されています。植田総裁は12月1日に、(政策金利からインフレ率を差し引いた)現在の実質金利は「きわめて低い水準にあり、経済・物価に対して中立的な実質金利を大きく下回っている」との認識を示しました。今回の会合でも同様の見解を示し、利上げを継続する姿勢を改めて示すと予想しています。
相場の注目点
日本では財務省の国債市場特別参加者会合が予定されています。米国ではフィラデルフィア連銀総裁、クリーブランド連銀総裁、シカゴ連銀総裁が講演を行います。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)


注)データは日本時間2025年12月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。